多分、恋 (ページ4)

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赤面ページ4

『買い物について来てくれてありがとう』

「いや、私も買いたいものがあったし良かったよ」

今私はAと歩いている。
買い物をして、駅のホームで2人で電車を待っていた

『高専に入ってから、こうやって休みの日に友達と遊ぶって初めてかも！』

Aはいつもニコニコしている。最近Aの表情は見ていて面白い喜怒哀楽がとても分かりやすい。今はきっと”楽”
だろう。

電車が車であと5分、ホームは段々と混んできていた。
後ろを振り返ると長蛇の列だった

そして電車が来て私達は押し込まれるように電車に乗り込んだ

私はAをドアの方に追いやって潰されないようにとAの前に立ってドアに手をついた。

『めっちゃ満員だね…！』

「そう…だね…」

Aとこんなに近いのは初めてで、目のやり場をどこにすれば良いのか迷っていた

甘い香りがする……小さい…力を入れてしまえば壊れてしまいそうなほど。

少しAを見下ろすと、私の胸に手を当ててそっぽ向いていた。顔は見えなかったが、耳が異様に赤かった

その瞬間ぶわわっと、変なものが心臓に向かって押し寄せてきた。
心臓の脈拍が上がっていくのが分かる。強く早く鼓動は増していく一方で私は心臓麻痺で死んでしまうんじゃないかと思ってしまう

私の心臓の音が聞こえているだろうか…
まだAの顔が見えない、こっちを向いて欲しい、今の君の表情を見ていたい。悟や硝湖が知らない君の表情を私に見せて欲しい。

っと…いけない。まじまじ見すぎてしまっていた。

無言のまま私達は人が降りていくのを待っていた

しばらくすると、背中にかかってくる圧が無くなって、苦しさからも開放された

「ふぅ…」
「…大丈夫だったかい？」
私は手をどけ一旦Aから少し離れた

『う、うん！』

Aはいつも通りでは無いが、平然とするように首を縦に振った

そして私達は電車を降り、ホームを出て歩いていた。
気まづい空気でずっと無言だった

『あ、あのさ、傑』
沈黙を破るようにAが声を出した
少し前に歩いていた私は止まって振り返った

「！」

『守ってくれてありがとう…』

Aは顔を赤くしていた
初めて見る表情だった

私は忘れようとしていたさっきの出来事をまた思い出してしまい顔が段々と熱くなり、上を向いて顔を両手で覆った

見すぎてしまってはいけないと思ってしまうが私は指の隙間からAの顔を見てしまう

赤面している君の顔がすごく可愛いと思ってしまった