2話 ページ2
森鴎外side
私は何を勘違いしていたのだろうと思った。
彼女は、女神でも何でもない、ただ人よりも美し過ぎるだけの只の女性だったのだ。
「私、治を…!」
受け入れられなかった。そう言って泣く彼女の顔は化粧が崩れて見れたものではない。
けれど何故だろうか。それすらも美しいと思えるのだ。完璧だと思っていた、今までの彼女よりも。
「私を見なさい、A」
「、」
私が敬語を外し、名前を呼んだことに少しだけ驚いた様子を見せるも、ゆるゆると顔をあげる彼女の頬に手を添える。
嗚呼、彼女の名を呼ぶ事の、なんと甘美な事か。
「私はポートマフィアの首領だ。A。私が、怖いかね?」
「、ぁ…あ…」
幼子に言い聞かせる様に優しく言葉を紡いだ。
彼女の目が恐怖に染まり、けれど彼女もまた私の頬に手を添えた。
「こわい、ですけれど…。鴎外さんの目は、吸い込まれそうで…いっその事、吸い込まれてしまえたら、って思えるんです。だって、それほどまでに…。」
「ん?」
「貴方の目は、暗くて、こわくて、でもそれ以上に、とても甘美な物に見えるから、」
今ならば彼女を堕とせると思った。自分のいる所まで、彼女を堕として。
彼女が私無しでは生きられない様になればと、そう思った。
「私を、どこか遠くに連れていって下さい」
嗚呼、嗚呼。連れていこう。ただし貴女の体そのものを連れていくのではなく、後戻りの出来ない所まで、その心を。
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森さん、ギャップ萌え()に目覚める←(オイ
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ルイネ(プロフ) - 最低最悪のバッドエンドでも(んなこったねぇけどよ)774さんのこのシリーズはまじでヽ(;▽;)bグッ、だ!!!! (2018年4月23日 18時) (レス) id: f5f412c4a5 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 更新期待してマス (2018年2月22日 7時) (レス) id: 9c4402c23d (このIDを非表示/違反報告)
774(プロフ) - 留羽謝(ルーシェ)さん» 私の(特に)趣味丸出しなルートをそんなに気に入っていただけるなんて…ありがとうございます! (2018年1月18日 10時) (レス) id: e8ec880123 (このIDを非表示/違反報告)
留羽謝(ルーシェ)(プロフ) - 太宰さんには申し訳ないが私にとって森鴎外ルートは最高のENDです!とりあえず(・∀・)ウマシ! (2018年1月17日 23時) (レス) id: 1767e80507 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:774 | 作成日時:2018年1月10日 7時