32:Accident ページ32
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『この間は、悪かった。』
『いえいえ、そんな。
こちらこそうちのボーカルが失礼を。
本当にあの時は失礼しました。』
私行きつけの楽器店。
そこの応接間で2人、頭を下げる。
アレから更に、ひと月。
どうやら日本でツアーライブがあるらしく。
その合間を縫って会いたいと思っている、と
ソジュンから連絡が来たのが先週。
しかし私は忙しく、土日以外厳しいと言った。
日本でのツアーなんて普通土日だろうから、
やんわりと断ったつもりだった。
そしたらまさかのOK。
しかもこんな地元まで来てもらった。
『堅苦しい。敬語やめろよ。』
『しかし今日はオフじゃないのでは?
仕事の話じゃないなら、
ソジュンに伝言でも頼めばいいはずです。
今日はSUGAさんとして、
私に用事がある、違いますか?』
無言。鼻で笑われない。
ということは答えはYESだ。
『だが、今日は2人とも仕事だ。
つーかまぁ、今日の話だと明らかに
俺の方が下の立場になる。だから…』
ますます話は読めなくなっていく。
ただ、ハッタリとかそういうのではなさそうだ。
『分かった。
でも、敬語をベースに韓国語を学んだから
すこし、へたくそでも許してほしい。』
『大丈夫。
……で、話っていうのは。
俺と、曲を作る気はないか?』
は?なんだって?
『………冗談。』
『冗談でわざわざここまで来ると思うか?』
『思わない。
でもなんでか分からない。』
正直な気持ちだ。なんで?
なんで世界を股に掛ける大スターに
作曲の話されてるの?
気まぐれか、話にならんくらい下手な曲だから
俺が教えてやる、みたいなソレ?
『曲が、よかった。
正直素人の独学にしては天才レベル。
そのセンスが、見たい。』
最高の、褒め言葉だった。
まさかプロからよかったと褒められるとは。
ただ
『お話は嬉しいですが、お断りします。』
ぺこりと頭を下げる。
『…理由を聞いても?』
『私は、JFECKの作曲家だから。』
しばらく続く沈黙。
『分かった。今日は戻る。
ただ、必ずまた来る。
俺はその曲を諦めたくない。
諦めるには惜しすぎるから。
これ、連絡先。
もし、気が変わったら連絡して。』
机の上に置かれた名刺。
『あ……いや。』
呼び止めようとするも、
その手は食わんとばかりにそそくさと
足早に挨拶をし立ち去られてしまった。
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朔夜(プロフ) - とこに。さん» とこに。さんはじめまして、暖かいお言葉本当にありがとうございます、、！！今回は努めてぐだらないようにしたので褒めていただけてとても嬉しいです！更新も、暇なうちに頑張りますので今後ともご愛読よろしくお願いします！ (2019年3月9日 10時) (
レス) id: f00e7030ca (このIDを非表示/違反報告)
とこに。(プロフ) - 話の全体的な疾走感が大好きです！作成されて直ぐに見つけられた自分の幸運を拝みました！無理せず更新頑張ってください！ (2019年3月9日 0時) (レス) id: 0db8f5d879 (このIDを非表示/違反報告)
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