31:Sago ページ31
Suga
『いらっしゃいませ、てユンギさん。
オフですか?』
仕事の合間、もはや癖のように立ち寄っている
あのライブハウス。
売り場にいたのはソジュン。
『いや、仕事の合間。』
『あ…すみませんSUGAさん。』
オーハシAもそうだが、こいつらは
俺が仕事かオフかで呼び方や態度を変える。
こいつ自身が仕事の時は
サイン会のような雰囲気は微塵もない。
それはこっちとしても有難いからいいんだが。
『ところで、まだ、か?』
『Aですか。』
『あぁ。』
目的こそ言ってないが、ソジュンにはメンバーの
オーハシAに用がある旨を伝えている。
そこでコネクションがとれると思ったから。
しかし彼が言うには、
あのサイン会からずっと音信不通らしい。
『昨日、他のメンバーから
連絡がついたと、連絡がありましたよ。』
そう彼が言った途端、店内に響く着信音。
『あ、すみません俺のです。
……って、SUGAさん。お待たせしました。
Aからですよ。』
電話をとり、流暢な英語で喋り出すソジュン。
少しだけ、眺めていると俺の方を向き
『……話されますか?
ずっと探される程の用事なんでしょう?』
『あ、あぁ…じゃあ。』
別に緊急、ではないが、
ここまで待って、いい加減我慢の限界だ。
来れる日くらい聞いとこう。
『もしもし。俺、SUGA。
お前に話があるんだけど、
次こっち来れるのいつ?』
するとスピーカーになっているのか、
電話の奥で別の女の声が聞こえる。
と同時に響く大声。
英語だから何を言っているか分からない。
そのまま電話はぶち切られた。
『…なんて言ってたんだ?』
『Aは目の下にクマ作るくらい疲れてんの
今休んでるんだから動かさないで、って。
今のはすみませんが、あなたが悪いですよ。
あまりうちのベースを苛めないでください。
あなたが用事あるなら、
あなたが日本に行ったらどうですか?』
スマホを返しながらソジュンを見やると、
静かだがどう見ても、怒っている。
『まぁ、知らなかったんでしょうし
仕方ないことですけど、彼女は昨日まで
ぶっ続けで働いていたんです。
残業徹夜で働くしんどさ、
あなたも分かるんじゃないですか?
ですから、あなたがオフで
日本に行けるようになるまでは、
休ませてやってください。
またその時には俺を経由していいので。』
約3ヶ月。残業徹夜で連続勤務。
あいつが何をしているのかは知らないが、
そこに差はないだろう。
明らかに非は俺にある。
『あぁ、悪かった。また来るわ。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 25人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朔夜(プロフ) - とこに。さん» とこに。さんはじめまして、暖かいお言葉本当にありがとうございます、、！！今回は努めてぐだらないようにしたので褒めていただけてとても嬉しいです！更新も、暇なうちに頑張りますので今後ともご愛読よろしくお願いします！ (2019年3月9日 10時) (
レス) id: f00e7030ca (このIDを非表示/違反報告)
とこに。(プロフ) - 話の全体的な疾走感が大好きです！作成されて直ぐに見つけられた自分の幸運を拝みました！無理せず更新頑張ってください！ (2019年3月9日 0時) (レス) id: 0db8f5d879 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
