※ Accident ※

4:Accident ページ4

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「えぇえ……」


アレからどうにかライブは成功。
そしてそのまま慌ただしく片付け、
ホテルへ帰ったのは21時。

そしてトートバッグを開け、愕然。


「誰の財布よこれ……」

中から出てきたのは、高そうな財布。
勿論私のものではない。
なんならバンドメンバーの誰のものでもない。

そしてカバンはバンド別で置いていた為、
他のバンドや観客、スタッフの線も薄い。

とりあえず、中身を見よう。
多分身分証とか入ってるでしょ。


「……ビンゴ。

でも……なんて読むんだ?」

いや、前にソジュンからハングル文字は習った。
頑張れA、読むんだ!!

「み……ミン ユンギ…?」

って読んだところで何も変わらないけど。
私には1つ、恐れていることがあった。

「もし……有名人とかならどうしよう…」

流石に外国の有名人まで知らないから、
何とも言えないけど。
ただ外国で裁判とか、そんなのになったら……
訴訟、賠償金、逮捕……
様々な不吉単語が頭を掠める。

えぇいこうなったらエゴサーチだ!

「みん、ゆんぎ……検索っと。

ひ、ひょえ…………」

某G先生の検索ボタンをタップすると
わんさか出てくる華々しい男の人たち。
画像欄を見ると、手元にある身分証と
完全一致の顔。

「なになに、SUGA…?ラッパー?

BIG HIT……芸能事務所か。
あ、防弾少年団の人なのか…



って、1番あかんやつじゃん!!」

ど、どうしよう…私の人生終わった。
どうにか見逃してもらわないと……
とりあえず、電話番号が出てるから、
謝罪の電話しないと!!
そんで、まだ開いてるなら返しに行こう!

急いで番号をコールし、
翻訳アプリ片手に電話をする。

(『はじめまして、
りょこうでこちらにきているものです。

そちらにつとめているかたのさいふを、
まちがってもってきてしまったので
そちらにおかえしするため、おうかがいしても
よろしいでしょうか……?』)

そして分割画面で先程のG先生の画面を出し、
「窃盗 賠償金」で検索。

(『はい、はい……うそではなく…
いえ、ほんとうです。
はい、ぐうぜん?といいますか……』)

な、なるほど…相場は10万円程度……
それって韓国だとなんぼ?
「10万円 韓国」……約100万ウォン…?

ひい……
でも一応旅行ついでに買い物も予定してたし、
10万円分なら、出せる。

(『はい、いますぐにもっていきます…
はい、はい…しつれいいたします……』)

一緒に包んで持っていこう。

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