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目が覚めてから既に10分は経っていると思う。
酔い潰れて寝て連れ込まれそうになるなんて我ながらとんだ失態だ。しかしどうやら私が夢の中にいる間に事はもっと大きくなっていたようで、居るはずがないと思っていた彼の声が傍に聞こえる事が、なんだかとても安心した。
｢どうせトントンが言ったように最初からAに手出すつもりだったんだろ？｣
｢そんな目的で近付いたつもりはないですよ｣
｢…ふーん？｣
私には分かる。シャオちゃんが怒り心頭なことが。
納得など一ミリもしていないふーん？の後、誰かの優しい手が私の髪の毛をさらさらとすくいはじめた。まぁそれが誰かなんて、言うまでもないんだけど。
｢こいつ、俺が出会った時も男に付きまとわれてたんだよ｣
｢……｣
｢流石に可哀想だったから助けてさ、ありがとうございますって泣きそうになりながら必死にお礼言ってて、なんかよく分からんけど、守ってやりたくなった｣
｢……だからなんだよ｣
｢…お前がいくらAに手出そうと奮闘しても、その分俺のセコムが強化するだけってことだよ｣
だから二度とこいつに色目使うな。と彼は私の頭を撫でた。
そうだ、2年前のあの日も彼はこんな風に助けてくれた。あの時はまだお互い何も知らない赤の他人だったのに、偶然見かけて大変そうだったんでって言って、恥ずかしそうに微笑みながら私の手を握って、また何かあったら連絡下さいって番号を渡してくれた。
そんな人を疑ってたんだ、私は。そしてそんな彼に疑われるような事をしていたんだ。どうして、彼はこんなにも私を大切に思ってくれていたのに。
｢とりあえずお前帰れ｣
という誰かの声が聞こえてすぐ、私は隣側の人間に強引に引っ張られた。向坂さんに違いない。
しかしそれは、何してんだよと怖い声のシャオちゃんによって防がれる。よかった。
｢確かにホテルには連れ込もうとしたけど、でも彼女の暮らしぶりを見てたら誰だって｣
｢うるせぇな、まだ分かんねぇのか｣
｢こいつは俺の女だから触んなって言ってんだよ。さっさとお姉ちゃんの居るおウチに帰れ馬鹿野郎｣
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紫乃(プロフ) - 桜華さん» やだそんな勿体ないお言葉……ありがとうございます……応援、凄く励みになります。頑張ります！ (2020年4月29日 17時) (
レス) id: 6342678680 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - コメ失礼します！すごく素敵なお話でした…！！どこかもどかしさもあり、次へ次へと読む手を止められませんでした(笑)文字の構成も凄く好きです！これからも頑張ってください！！ (2020年4月29日 15時) (レス) id: 98b8c85960 (このIDを非表示/違反報告)
紫乃(プロフ) - *空月白/白猫*さん» 可愛いshaさんをお届け出来て良かったです……！番外編もあげるつもりなのでよろしくお願いします！！ (2019年8月20日 20時) (レス) id: 6342678680 (このIDを非表示/違反報告)
紫乃(プロフ) - 村人役のＡさんさん» 暖かいコメントありがとうございます…続きが気になる作品だったなんてそんな…勿体ないお言葉です… (2019年8月14日 0時) (レス) id: 822b1aa5e7 (このIDを非表示/違反報告)
村人役のＡさん(プロフ) - めっちゃ面白かったです！やっぱり最後はこう誤解がとけてハッピーエンド的なやつがいいですよね！見ててすごく続きが気になる作品でした！本当にありがとうございました (2019年8月13日 23時) (レス) id: 1439e83c04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫乃 | 作成日時：2019年7月30日 1時
