分からないと分からない ページ5
「…よく分からない」
そう言うと、ようやくヒョンが笑って
「良かった、じゃあ嫌じゃないんだ」
いやいや待って、良くもない。
ちょっとからかいすぎですよ。
そう言いたいけどなかなか息が整わない。
あれ？僕、こんなに体力なかったっけ？
ヒョンの大きな手が僕の頬を撫でる。
僕は回らない頭を必死に回して、ヒョンは今何がしたいのか、何をしようとしているのか考えた。
こんなの、あまりに唐突すぎる。
とにかく、ジュンミョニヒョンに用事があるとか何とか言って、さっさとこの部屋を抜け出そう。
「えと、その…」
「どうしたの？」
「僕、ジュンミョニヒョ…………うあ…っ！」
左の肩に鋭い痛みが走った。
慌てて痛むところを見ると、ちょうど肩の垂直になっている角の所が、赤黒くなっている。
「あーあ、血、出ちゃったね」
血は僅かに滲む程度だけど、それでも痛い。特にヒョンの犬歯の辺りなんてジンジンする。
ヒョンはその場所をペロリと舐め上げると、にっこりと笑った。
「お前がヒョンの名前なんて出すからだよ」
一体何がどうなってこういうことになってるの？ヒョンの考えてることがわからない。
少しヒョンが俯いたから、ヒョンの顔に濃い陰影がついた。それがギリシャ彫刻のようでますます怖くなる。
「ヒョン…」
何考えてるの？
そう口を開こうとする僕の声を、けたたましいアラーム音が遮った。
急にヒョンの顔に焦りが見えて、次いで困ったような毒気を抜かれた顔になった。
何故かヒョンが悲壮感に包まれている。
「…ヘヨラの電話？」
この味気ないアラーム音は僕のだ。
「…うん、そうみたい」
音の出所からして携帯は何処かに転がってるみたいで、伸ばして取れるような場所にない。さっきのヒョンの顔を見てたら何だか取るのがためらわれて思わず伺うように顔を見た。
「出なよ…なんかごめん」
「あ、うん…じゃあ…」
何も負い目に感じることは無いはずなのに、何故か申し訳なく思って電話を取るためにベットから降りる。
『…もしもし？A？』
ユノオッパだ。
「うん、そうです。」
ちらりとヒョンの方を見ると、いつの間に出て行ったのか、もう姿は見えなかった。
音すらさせないで出て行くなんて、どんな芸当を使ったんだ。
それにしても、電話が鳴ったときのあの悲痛な面持ち…
訳分かんなくて泣きたいのはこっちだよ。なんだっていうのさ。
それでもあの表情を思い出すと心臓がキリリと痛んだ。
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SORA - 書いてくださりありがとうございます！気になったですけどもジヘって 誰ですか？ これからも頑張ってください！楽しみにしてます。 (2015年10月12日 18時) (
レス) id: eca726b732 (このIDを非表示/違反報告)
愁(プロフ) - junさん» うわわ！ヘヨルが好きだなんて嬉しすぎます！(Ｔ＿Ｔ) junさんニョルペンだったんですね！私もミンソクさんのあの大人っぽい感じが好きで好きでたまらなくて笑、愁フィルターを通したミンソクさんに仕上げております← いつも読んで下さって私も嬉しいです！ (2014年9月13日 14時) (レス) id: 59a98367e2 (このIDを非表示/違反報告)
jun(プロフ) - こんばんは！ミンソギヒョン大好きなヘヨル、そんなヘヨルが大好きな私。チャニョルペンなんですが、シウミンさんも大好きなのでほんと嬉しいです。あのお兄ちゃんな感じがたまりません。 (2014年9月11日 1時) (レス) id: 5f8042f930 (このIDを非表示/違反報告)
愁(プロフ) - junさん» ありがとうございます！＼(^o^)／このファンの子、書いてて一番楽しかった場面なので、楽しんで頂いて私も嬉しいです！それにしても年上相手に…この子、自分で書いといてなんですが、図太いですよね… (2014年8月31日 11時) (レス) id: 59a98367e2 (このIDを非表示/違反報告)
jun(プロフ) - 連日の更新ありがとうございます。ﾌﾌﾌ。サイン会おもしろーい!!ペンちゃん面白すぎです!!がんばれベク!! (2014年8月30日 22時) (レス) id: 5f8042f930 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愁
| 作成日時：2014年7月15日 13時
