ウブでヘタレな黒尾くん【黒尾鉄朗】

ノックだけでも ページ28

ｽﾀｽﾀｽﾀ……



ノックだけ…


呼ばなくても出てくるはず……



ノックだけでもしないと京治は出てこないんだから……








よし、いこう







コンコン






貴方｢……………………｣





「………………………………」






出てこない……だと…っ…





これは完璧に怒らせてるぽいな…




どうしよう…






貴方｢けいj…｣




「姉さん、入ってください」





貴方「え……あ、うん」







ガチャ…


ｷｨ……




恐る恐る扉を開けると、中には背中を見せてうずくまる京治が居た







貴方｢あの…えっと……｣







どうしよう、謝らないといけないのに…





私は足りない脳内で仲直りする方法を検索していた





えーと
えーと……




しばらくすると、私じゃない口から声が聞こえた






赤葦｢……姉さん、ごめんなさい｣







貴方｢……え…｣







なんで私が謝られてるんだろう、なんて考えるものだから思考がまとまらなくなってきた





赤葦｢…俺、姉さんのこと好きだよ。ほんとに。でも、姉さんを苦しめるようなことを知らないうちにしてしまっていたことに謝りたいんだ｣





言葉が途切れた時に、京治はこちらを向いた




赤葦｢本当にごめんなさい｣





綺麗な京治の顔は幼少期以来の大粒の涙で濡れていた




赤葦｢本当に…………すみません、でした…｣








貴方「………あ…」






あれ、







なんで私弟を泣かせてるんだろう






昔あれだけ大事に守っていた京治を何故私が泣かせているんだろう？







貴方｢…ごめんね、京治。私も謝りたかったの。京治のこと分かっているはずなのにこんな事をさせて本当にごめんなさい。……自分勝手でした｣






赤葦｢っ姉さん……大好き…｣




貴方｢え…｣





ｷﾞｭ……





あぁ、何年ぶりだろう、京治とハグしたのって




いつの間にかこんなに大きくなっちゃってたんだね





いつもは京治とこんな近距離にいることはないから少し緊張する





……でも、なぜか心地いい




赤葦｢俺、これからはちゃんと姉さんのこと守るから。
……もう、こんなすれ違いが起きないように気をつける｣






貴方｢…ありがとう。私はもう、勘違いでものをいわないように気をつけるね｣






赤葦｢……姉さん、黒尾さんの所に行きますか？｣





貴方｢あー、うん｣









一件落着、かな

あれ…この気持ち…？→←あのね黒尾くん

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーナンバー

8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す