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「見つけた、ここにいたんだね」
「休憩終わりか、手間取らせてごめん」
「俺も出てたしついでだよ、それより…」
「……なに?」
「いや、ミルクティーなんて珍しいなって」
「…………」
「決め付けるのは止めようかな、って」
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「…あの、これ、どうぞ」
下心とかなしで、久しぶりに会った同級生を助けたい一心で声を掛ける。
「…僕、ですか?」
「あ…えっと…はい」
目を丸くして驚く井上さんに対して、仕事をしない表情筋であたふたとミルクティーを差し出した。
……沈黙。まあ、そうだろうけど。
「わたし堀越高校総合コースにいて、学級委員で」
「うん」
「恩返し、みたいな…感じで」
「これも今、この自販機で買いました。変なものは入ってないです」
「……」
手元のミルクティーが、水滴を零して井上さんの手元に収まる。
「気遣ってくれたんだね、ありがとう」
初めて見た笑顔は少しぎこちなくて壁があった。
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作者名:氷 雨 | 作成日時:2023年7月29日 22時