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「…あの、これ、どうぞ」














 下心とかなしで、久しぶりに会った同級生を助けたい一心で声を掛ける。












 「…僕、ですか?」
 「あ…えっと…はい」














 目を丸くして驚く井上さんに対して、仕事をしない表情筋であたふたとミルクティーを差し出した。















 ……沈黙。まあ、そうだろうけど。














 「わたし堀越高校総合コースにいて、学級委員で」
 「うん」
 「恩返し、みたいな…感じで」


















 「これも今、この自販機で買いました。変なものは入ってないです」
 「……」
















 手元のミルクティーが、水滴を零して井上さんの手元に収まる。


















 「気遣ってくれたんだね、ありがとう」

















 初めて見た笑顔は少しぎこちなくて壁があった。













_________









「見つけた、ここにいたんだね」








「休憩終わりか、手間取らせてごめん」








「俺も出てたしついでだよ、それより…」







「……なに?」







「いや、ミルクティーなんて珍しいなって」








「…………」














「決め付けるのは止めようかな、って」

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設定タグ:hihijets , 井上瑞稀   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:氷 雨 | 作成日時:2023年7月29日 22時

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