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「はぁ……」
クロワッサン片手に、藍那が「溜息深いな」と笑う。
夏といえば夏祭りって言うのが学生の本業、何だけど。
うちの学校にはまだ2大イベントが残っている。
「藍那はクリアだっけ、」
「私頭いいからね、肝試しは面白そうだから出るけど」
成績不良者の補習と肝試し。
オカルトは嫌い、成績は余裕でセーフだけど休んでた単元の授業あるから習っておかないと行けない。
毎回の如く、私はそれに引っ掛かった。
「私だって好きで休んでないんだよっつて」
「スタバ奢るから頑張れよ」
「好き頑張る」
「萩原、それおれも追加ね」
「マクド奢りで返してくれるならいいよ」
え、やだ、と辛辣な言葉を返す佐藤くんは、私と目が合うとにっこりと笑う。
「伏舞さんも仲間みたいだね、肝試しも出るの?」
「ばっちり両方引っ掛かっちゃった、」
「そっかぁ」
そんな他愛無い会話を、ミルクティーの匂いが遮る。
「あ、いたいた、肝試し組」
「もっちーどうした?」
藍那の言葉に、学級委員の基くんが微笑みながら爆弾を落とした。
「今年の肝試し、男女ペアだから当日までに組んどいてね」
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作者名:氷 雨 | 作成日時:2021年4月24日 0時