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「うわ………」
体温計を片手に溜息を着く。それは機械的に 37.5度と示されていた。
この時期になると毎回、私は体調を崩す。多分今回もいつも通り風邪だ。
それでもこのご時世、熱があると休まないといけないわけで。
ひとり暮らしのベッドに飛び込んで、通知オンにしたスマホを置くと、目を閉じた。
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「あ、新!!」
「美咲、」
お疲れ様、と軽く手を挙げた新は、うちの手を取るといつもの様に歩き出す。
久々に会ったし、楽しそうやったな松井。
急患続きで、うちがみっちり扱かれていた最中に会ったという、水澤さん。
彼女の事ををいきいき話す松井を思い出して吹き出した。
「なに急に、気持ち悪いなぁ」
「後ろ一言だけ余計やねん笑、松井と会ったの久々、」
彼奴がさ、久々に楽しそうに女の子の話しとったからさ。
そう笑い、水澤さんのことを伝えると、新は驚いたように目を見開く。
まあ、そうやろうな。なんせ松井が好きなタイプとはかけ離れとる。
「美人さんなんだぁ、美咲タイプってことか」
そのまま何故か不安げに眉を下げる新を不審に思いながら、うちは続ける。
「昨日もこの時間に松井とおったし、バス停に居たら紹介したる笑」
水澤さんは、どちらかと言うと大人しいから新と合う気がするんよなぁ………。
でもその日のバス停には、松井1人だけが取り残されていた。
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作者名：氷 雨 | 作成日時：2021年2月2日 23時
