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高校の時、自分は自分だって勇気を貰って馬鹿正直に自分のことを話したのは瑠華達との一件から。
今から紡ぐ言葉で、関係が揺らぐと思うとあの時以上に緊張して、出だしの言葉がぎこちなくなった。
「私、はまず、猪狩先輩に釣り合う様な女性であると自負している訳では無いです」
優斗くんの事も考えて敬語で切り出すと、猪狩先輩と作間先輩が豆鉄砲を喰らったかのようにぽかんとした。
「先輩は雀の命も愛しく大切にする優しさもあるし、強さもあるし、たまに口悪いし、てか揶揄ってくる事しかしないし」
「なんで後半ディスられてんだよ」
失恋を自覚する為にした告白の時みたいに横から猪狩先輩が突っ込んでくる。それを見て「ほら、優しい所出た」と微笑むと少しだけいつもの私たちのペースに戻せた気がした。
「告白だって私からしました。一回振られて、その後は先輩から聞いたけど、今付き合ってるのは私のエゴもあります」
「回りくど」
つまりどうして行きたいの？惚気聞く気無いからという瑞稀くんの声に被せるように私は言葉を重ねた。
空気を読んで、好きな人を誤魔化す事なんて小さい頃は当たり前だった。でもそのあと後悔なんてしなかったし、しぶとく付き纏ったりなんて論外だと思ってた。
答えが分かってても告白したり、切れそうになった繋がりを必死に繋ぎ止めたり行動に起こしたのは先輩の時が初めてだ。そんな恋を簡単に終わらせられるほど割り切れてないのは自分でも分かってる。
「私は猪狩先輩と付き合ってる事を匂わせる気もバラす気もありません。好きな人が笑顔で居たら充分です、でもいつまでも傍で支えて安心できる存在は私がいい、」
しん、と静まりかえった個室が申し訳なくなって頭を下げて軽く詫びる。そのあとで「これが私が言える本音、私からした全てです」とまっすぐみんなの顔を見た。
もう学生じゃない。我儘だけど、言わなきゃ伝わらない事がある。それを教えてくれた本人への気持ちとか。
優斗くんが少し微笑んだように周りを見回す。
「……何で、」
小さくそう聞こえたような気がして、涼くんの方を見たと同時に瑞稀くんがその場を立った。
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氷雨(プロフ) - 理子さん» コメントありがとうございます。 氷 雨 。(@His_x_o_Ame)です ! (2021年12月18日 10時) (
レス) id: dfb674a32e (このIDを非表示/違反報告)
理子(プロフ) - Twitterのユザネを教えて欲しいです！ (2021年12月18日 9時) (レス) @page6 id: 69b2f71674 (このIDを非表示/違反報告)
氷雨(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます。大学生になったのでずっと書きたかったシチュエーションを書いてみました笑 楽しんでもらえてて嬉しいです！ (2021年9月10日 12時) (レス) id: 292262d02a (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - ほんと素敵な作品で、続きが気になります！猪狩くんからのちゅーにドキドキしちゃいました、、！ (2021年9月8日 23時) (レス) id: 7b49f138be (このIDを非表示/違反報告)
氷雨(プロフ) - 8888さん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけていることに凄く安心しました、嬉しいです！これからも応援よろしくお願いします。 (2021年2月27日 8時) (レス) id: 2ebab5b447 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷 雨 | 作成日時：2021年1月11日 19時
