望み叶え給え。 ページ3
※雄英高校は既に全寮制です。
「おはよ！」
「A！おはよ！」
「おーーA！！昨日言ってた漫画、持ってきたぞ！」
「あらAさん、おはようございます。」
「A、今日の放課後って…」
教室のドアを開けて挨拶をすれば、みんなから多種多様な返事が返ってくる。
今日も髪型はバッチリ。手入れされた黒髪だけど、気合い入れてる感じは見せない。メイクだってうっすーくして爪はちょっとだけピンク。すれ違いざまにはシャンプーの香り。
これがわたしの毎日。
「Aって、かわいいよな…」
「わかる。性格とかもそうだけど、普通に顔も可愛い。狙っちゃおっかなー」
「上鳴、お前じゃ無理だろｗ」
「はぁ？最初に言い出したの瀬呂だろ！」
聞こえてるよ、そこの2人。
「おはよ、瀬呂くん、上鳴くん。」
「あっ…おはよ、」
「おはよA！！」
上鳴くんはなんも考えてなさそうだけど、瀬呂くんはちょっと顔が赤い。
自分でもわかってる、わたし、モテます。
ちょっとした優越感に浸っているうちに、教室のドアが開く。
お目当ての人が来た。
「…！出久、おはよ！」
「あ、A、おはよう！」
あーーーーーーハイ、好き。今日も安定に好き。超好き。てか寝癖直ってないよ？かわいいかよ。なんで分かるかって？伊達に10年以上好きじゃないよ、はぁ好き。今日も好きだわ存在が癒し…
何を隠そう、わたしは緑谷出久のことが好きだ。
いつからなんてわからない、物心着いた時からずっと、好きだった。
出久が受けるからヒーロー科だって受けたんだし。
二人とも高校に入ったら告白しようと思ってた。
だけど、だけど、
「デクくんおはよ！Aちゃんも！」
さりげなーく出久の肩に手を置いて挨拶をしてきた女。
「あ、おはよ！麗日さん！」
「おはよう、お茶子ちゃん。」
麗日お茶子、この女の存在が全てを狂わせたんだ！
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作者名：楓 | 作成日時：2018年9月4日 17時
