Don’t Wanna Fall In Love【HS】

06　I can't ページ6

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「最近楽しそうですね」



こら。タイマーを勝手に止めないの。

ペン先でプリントに戻るよう指示しても、

この問題児は聞きもしないで口をすぼめている。


ああ、この子は一体何歳になったら言うことを

聞くのかな。頭を抱えながら腕時計を確認すると、

あと15分しかなかった。困ったな。ここ最近は

ずっとまともな勉強をさせていない。


これじゃあおばさんに怒られてしまうじゃないか。



「…なにもないよ！ それよりちゃんと課題を」



「嘘ですよ」



急に低くなった声音。何事かと顔を上げれば、

視界が陰で覆い被さった。

束の間の緊張を崩すように笑ったジョングクは、

私の喉元にひたりと人差し指を当てた。



「先生、嘘つくとき喉さわるんです」



知ってました？


銃の形で突き立てられた指先の奥が、ひく、と

うねる感覚がする。

からかわないでよ、なんて言っても本当に

聞かないこのモンスターは、

私が家庭教師を受け持っている生徒、兼、親戚だ。



「チョン・ジョングク！」


「はあい、ちゃんとやりますよ」



やればいいんでしょ。吐き捨てて椅子に座り直した

ジョングクが早速さらさらと鉛筆を動かし始める。

真面目にやればちゃんとできる子なのに、

どうしてテストの点数があまり伸びないんだろう。



(やっぱり私の教え方が悪いのかな)
　
　
　

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