15 ページ15
.
気づけばあの自然公園にいた。
まだ日の出ている時間帯だからか、
人がまばらにいる。
夜は空気に溶けていってしまいそうな
せつなくも優しい雰囲気を
持っているけれど、昼間は緑が
いっぱいに映えるようだ。
お年寄りが座っていたベンチの
端っこに失礼して、息を吐く。
遊具がなく、ただ芝生と樹木、
ベンチが置かれたこの公園では、
皆思い思いの楽しみ方をしていた。
ある者は読書をし、ある者は
瞑想に耽り、ある子供は学校の
友達となにやら雑談している。
老若男女を問わずみどりに包んだ
公園は、ゆっくりと時が進んでいる
ようでとても落ち着けた。
「＿＿Aさん？」
と、突然呼ばれた名前に驚く。
声の方向を見やれば、見覚えのある、
……ような気がする男が立っていた。
というのも、私は人の顔を覚えるのが
壊滅的に苦手なのだ。
こんな知り合いの人いたっけ、なんて
失礼なことを考えながら思考を巡らす。
「あ、えと……はい、Aです」
「ああよかった！
間違えていたらどうしようかと思いました」
「いえいえ」
沈黙。
どうやらお互いに人見知りらしい。
突っ立っている彼もやわらかな笑顔を
貼り付けたまま微動だにしない。
「と、隣座りますか？」
ただならぬ雰囲気を感じ取ったのか、
そそくさと去っていったお年寄りの後を
勧める。彼は少しだけ迷う素振りを
見せたものの、大人しく腰を下ろした。
ベンチの端も端、ともすれば
落っこちてしまいそうな位置に。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 124人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
nb(プロフ) - ぺこさん» ぺこさん初めまして！ご返信遅くなりすみません> < なかなか複雑な展開になりそうですが、最後まで読んでいただけたら嬉しいです。感想もありがとうございます！！嬉しいです (2021年8月31日 21時) (
レス) id: da5233e53f (このIDを非表示/違反報告)
ぺこ(プロフ) - はじめまして。私も白髪ホソクさんにやられた1人です笑。ジミンさんがナムさんを押して出て行ったところ、すごく想像できて思わずふふっと声に出してしまいました。これから四角関係？がどのように展開していくのか楽しみにしています。 (2021年7月30日 9時) (レス) id: 8374e9dde6 (このIDを非表示/違反報告)
acaramel2(プロフ) - ぽてとさらださん» ぽてとさらださんはじめまして、うれしいコメントありがとうございます( ´ ▽ ` ) とっても励みになります！不規則更新ですが、お付き合い頂けたら幸せです (2021年6月20日 4時) (レス) id: da5233e53f (このIDを非表示/違反報告)
ぽてとさらだ(プロフ) - すごくすごくすごく好きです！！！ (2021年6月18日 2時) (レス) id: abe3bf047b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：acaramel2 | 作者ホームページ：https://twitter.com/cinderella_812
作成日時：2021年6月15日 12時
