58. 懐かしい声 ページ8
＊
翔太「A帰るぞー」
『うん！』
放課後、バスケ部の活動が無い日はこうやっていつも一緒に帰ってくれる。
友達と帰らないの？って聞いても、「大事な妹守るのが兄の役目だからな」って。
お父さんの優しさは、そのままお兄ちゃんに降りたんだね
翔太「んでよー、あの顧問理不尽に俺に怒るんだよ」
『あの先生苦手、って周りの子も言ってる笑』
翔太「なんであんなゴリラが顧問なんだよっ」
こういうお兄ちゃんの愚痴も、いつもはお母さんが聞いてたけど今では私の役目になってる。
『でも教え方上手なんでしょ？笑』
翔太「そうなんだよなぁ･･･」
家の付近まで着くと、周りの家の人達が数人、外に出ていた。
翔太「なんか大物スターでも来たのか？」
『まさか、こんな住宅街に？』
翔太「ねぇねぇおばちゃん、何かあったの？」
おばちゃん「あら、翔太くんにAちゃん･･･」
近所でも一番仲良くしてもらってるおばちゃんに話を聞くことにした。
おばちゃん「あの子、いつから帰ってきたの？」
『え･･･？』
翔太「あの子？」
おばちゃん「凛子ちゃんよ。さっきまで激しい言い争いの声が外まで聞こえてね、みんな心配で出てきたのよ」
お母さんが、帰ってきてる･･･？
やっぱり、朝見たあの人って、お母さんだったんだ･･･
『お、お兄ちゃ･･･』
翔太「ホント迷惑かけてすんません！行くぞA」
お兄ちゃんが走る後を追って家へ向かう。
今は何も聞こえてこないけど、外まで聞こえるって何話して────
母「やっぱり浮気じゃない！！！」
いつも聞いてた声が、玄関前まで辿り着いた私たちの耳に入ってくる。
何日ぶりに聞いたのだろうか、あの人の声を。
久しぶりに聞いた声は怒鳴り声で、優しいなんてものはなくて、
恐怖でしかない。
この目の前のドアさえ開ければ、我が家なのに、
お母さんとお父さんがいるのに、
なのに、私とお兄ちゃんは
足がすくんで立ち止まってしまった。
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きよきよ(プロフ) - 途中、ハラハラしましたが、みんなハッピーエンドになって良かったです♡ ステキなお話ありがとうございました♪ (2022年1月19日 16時) (
レス) @page50 id: d5f96808bc (このIDを非表示/違反報告)
m - いつも楽しみに読んでます！ (2022年1月12日 10時) (レス) @page38 id: f159bcba7d (このIDを非表示/違反報告)
さーちゃん(プロフ) - 第ニありがとうございます‼️悪いふっかさん楽しみです。でも岩本さん傷つかないで😭 (2021年12月31日 17時) (レス) @page3 id: 645033c6ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あべち
| 作成日時：2021年12月31日 14時
