67. 本当の予兆の始まり ページ17
＊
母「ちょっと隼人、この甘ったるい匂い、いつまで付けてくるの？」
父「後輩の女の子がしつこくまとわりついて来るんだよ」
朝ごはんを食べている私とお兄ちゃんの横で、お母さんがお父さんのスーツやワイシャツ一式を持ってお父さんの目の前に突きつけている。
ソファでくつろいでいるお父さんは面倒くさそうに理由を言った。
最近のお父さんからは優しいオーラを感じなくなった
母「ホントに？隼人から誘ってんじゃないの」
父「そんなことするわけないだろ」
母「じゃあその子、ちゃんと突き放してよ」
父「突き放したら泣いちゃうんだよその子」
母「はっ。何歳か知らないけど社会人にもなって突き放されたくらいで泣くなんてね」
元々気の強いお母さんは、すぐ泣く子とかぶりっ子する女の子が嫌いだ。
私もお兄ちゃんも、このくらいの言い合いで終わるだろうといつものようにスルーをしていた。
父「大体いつも何なんだよ、ちょっと匂いが付いてるくらいで」
母「ちょっとなんてもんじゃないわよ。
ワイシャツに口紅の跡付けてくるし、この匂いだっていっつも同じ匂いだし、
由佳ちゃんとホテルでも行ってんじゃないの？」
父「･･･はあ？」
お母さん、なんか今日すごい前のめりに攻めてる･･･
後輩の女の子の名前出しちゃったし･･･。
お兄ちゃんと目を合わせ、少し心配になる
父「アイツの頑張り知らない癖に、そういうこと言うなよ」
母「知らないわよそんなこと。知りたくもないわ。
それに最近、隼人だって帰り遅いじゃない。どこで何してたのよ」
父「お前だってあんな長期間家を放っておいたじゃねぇか」
母「その事はAと翔太に全部話したわよ。
隼人が浮気野郎だった、ってこともね」
ｶﾞﾀﾝｯｯ!!!
ソファの目の前にある机を蹴ったお父さんはリビングから出て行った。
あんな荒ぶるお父さん初めて見た･･･
けどお母さんの言ってることは本当だし、お父さんが何か言ってくれないと何も解決しない。
こんな言い合いがほぼ毎日続き、近所の人たちからは苦情が殺到。
毎度謝りに行っていた私とお兄ちゃんも精神的に疲労が溜まり、どうすればいいかわからなく諦めていた。
崩れかけていた家が完全に崩落する日が、
やって来た─────
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きよきよ(プロフ) - 途中、ハラハラしましたが、みんなハッピーエンドになって良かったです♡ ステキなお話ありがとうございました♪ (2022年1月19日 16時) (
レス) @page50 id: d5f96808bc (このIDを非表示/違反報告)
m - いつも楽しみに読んでます！ (2022年1月12日 10時) (レス) @page38 id: f159bcba7d (このIDを非表示/違反報告)
さーちゃん(プロフ) - 第ニありがとうございます‼️悪いふっかさん楽しみです。でも岩本さん傷つかないで😭 (2021年12月31日 17時) (レス) @page3 id: 645033c6ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あべち
| 作成日時：2021年12月31日 14時
