51. ワイシャツの口紅 ページ1
＊
私の家は、みんなから羨ましがられるほど温かい家だった。
23歳という若さでお兄ちゃんを産み、その翌年には私を産んだ。
その頃のお母さんは近所の人よりも若かったから、色々教えてもらったり、手伝ってもらったらしい。
愛想も良くて、その町の看板娘みたいな雰囲気も。
でも、今見てる光景は私の知らないお母さんだ
母「隼人、何この口紅の跡」
父「あぁ、会社でよろけた子を支えてあげた時に付いたやつだよ」
母「･･･ホント？」
父「なんだ凛子、俺を疑ってるのか？」
お兄ちゃんとテレビを見てる後ろで、お母さんとお父さんが変な雰囲気になってる。
しかもお母さん、なんか怒ってる･･･？
手にお父さんのワイシャツ握りしめて、眉間にシワまで寄ってる
翔太「母さんたちが喧嘩するの、初めて見た･･･」
『うん、私も･･･』
お兄ちゃんの小声に小声で返す。
あんなに温厚だったお母さんが何だかイライラしてる･･･
翔太「あんま見んなよ」
『うん』
チラチラ見ていた目をテレビに戻すも、後ろからの変な空気感は感じる。
母「そういえばA、新しいクラスどうだった？」
『仲良くなれそうな子、いたよ』
母「あらそう。なら、大事にするのよ」
今日は、晴れて中学生になった私の入学式があった。
お母さんは来れなかったけど、代わりにお父さんが見に来てくれた。
お兄ちゃんと同じ中学校だ。
母「あと、私明日から帰り遅くなるから夕飯お願いね、隼人」
父「わかったよ」
『仕事、忙しいの？』
母「そーなの。最近忙しくてねー笑」
お母さんの会社でどういう人が働いてるとか、
何してるとか、詳しく知らないから、大きな会社なんだろうなと思い、
この時はこの言葉を信じてた。
この発言が原因で家族が完全崩壊したのは、
もう少し先のことだった─────
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きよきよ(プロフ) - 途中、ハラハラしましたが、みんなハッピーエンドになって良かったです♡ ステキなお話ありがとうございました♪ (2022年1月19日 16時) (
レス) @page50 id: d5f96808bc (このIDを非表示/違反報告)
m - いつも楽しみに読んでます！ (2022年1月12日 10時) (レス) @page38 id: f159bcba7d (このIDを非表示/違反報告)
さーちゃん(プロフ) - 第ニありがとうございます‼️悪いふっかさん楽しみです。でも岩本さん傷つかないで😭 (2021年12月31日 17時) (レス) @page3 id: 645033c6ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あべち
| 作成日時：2021年12月31日 14時
