182 遅すぎた ページ24
貴女side
正直こちらも意識がハッキリとはしない
そんな中でも手を止めないのは
ヒーローとしてのプライドだった。
今私に出せる最大限の力を尽くして
ヒーローが勝つまで戦い続ける
彼の飛んでいく背中を見て、私はそう誓った。
救急車の中で勝利宣言を聞いた時も
喜ぶより先に目の前のミルコさんが心配で
貴「ミルコさん、意識がある限り
このバーをしっかり握り続けて下さい！」
ミルコ「ハァ…ハァ
ああ…ちゃんと……勝ったじゃねーか…
ざまァ…みやがれ……！」
左腕、右足は…切断確定だ
この出血量で意識が保ててるのは奇跡と
言っていいレベルの怪我。
貴「余計な事は言わなくて良いです…！
あと少しだけ…頑張って……！」
・
・
・
彼女は本当にギリギリだった。
あと1分病院に着くのが遅ければ
もう輸血も何も間に合わなかっただろう。
義手と義足にはなってしまったけど
命だけは…救うことができた。
彼女の容体が安定したのを見届ける。
そんな時、相澤さんから連絡が入った。
たった今
彼は息を引き取った、と。
その言葉の意味は理解できないまま
とりあえず急いで相澤さんの元へ向かった。
そこにはリカバリーさんもいた
リカバリー「…最後に意識は一瞬戻ったけど
それからは…もう駄目だった
出血量が多くてね…輸血も間に合わなかった
まだ若いのに…あんな無茶をして…」
相澤「……何もかも、本当に早過ぎた」
2人の言葉がぼんやり聞こえて
あれだけ急いでた心臓も、感情も
何処かへ行ってしまった。
私はもう目覚めない彼の姿を見て
まだ少しだけ暖かいけど
もう2度と握り返してはくれない彼の手に触れて
何を思ったのか
……何も思わなかった。
ただ声も出ず涙を流し続け
立ち尽くすことしか出来なかった。
確かあの時、リカバリーさん達は
もう帰るように言ってくれたと思う。
それでも私はそのまま仕事に戻り
ただただ、ヒーローたちの怪我を治した。
1人に…なりたくなかった。
今思えば、きっとそれが理由だったのだと思う
ヒーロー達の『ありがとう』の言葉さえ
何を言われてるのか理解できないほどに
私の中身は無くなっていた。
どうして…
あの時、彼を止めきれなかったのだろう
『こんな事になるのなら』
そう考えたって、もう遅かった。
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アップルパイ(プロフ) - いいお話すぎる、、、普通に泣きました、、素敵なお話ありがとうございました😭💕 (5月2日 21時) (
レス) @page43 id: c2bcbcc7a7 (このIDを非表示/違反報告)
berumanami0220(プロフ) - ほんとに感動しました。こんないい作品最後まで書いてくれてありがとうございます！ほんとに今までで一番いい作品でした（ ; ; ） (1月9日 1時) (レス) @page45 id: ea41280661 (このIDを非表示/違反報告)
Hidora(プロフ) - 続けて書いてごめんなさい。今まで占ツクで見てきた中で1番良い作品です。この作品を書いて下さり、完結まで続けてくださりありがとうございました。 (11月21日 17時) (レス) id: 899cfd5088 (このIDを非表示/違反報告)
Hidora(プロフ) - まじで感動しました。泣きました。ホークスが亡くなった直後の時、ホークスのMAD聞いてたんですけど、そのMADは米津玄師さんのlemonで歌詞とセリフとで合い過ぎでマジ泣きしました。イメージソングは別の曲だったようですけど、lemonにこんなに会う作品があるなんて…！ (11月21日 17時) (レス) @page45 id: 899cfd5088 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた - 何気なく読んだ夢小説でまさかこんなに感動するとは……素晴らしすぎるタイトル回収に、2人の最期、生徒との関係…読んでるうちに自然と涙が出てきました。この作品に出会えてよかったです。 (2023年2月2日 21時) (レス) @page45 id: 1bebe7d5ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mona
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=academia1st
作成日時：2020年3月28日 17時
