最終話 『空を飛びたい』 ページ42
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『待ってたよ』
その男は、自分の胸に勢いよく飛び込む女を
優しく抱きしめた。
『随分早かったね
本当に君はこれで良かったの？』
女は、満足そうに笑って頷く。
『最っ高の人生だった！！
今もね、最高の気分』
『奇遇だね、俺もだよ』
男はその時気づく。
彼女の左手の薬指に指輪が2つ付いている事に。
そっと自分の分をはめてから
彼女の分も外した。
『え…何で？』
『元々は、俺が君につけてあげるものだよ』
男は跪き、女の手の甲にキスをする。
『これからは…ずっと一緒。
今度こそ約束するよ
もう絶対に、君の傍から離れないって』
そうして指に通ったリングは
さっきよりも輝いて見える。
女の顔も、涙を流しながら笑っていた。
2人はお互い手を取って歩く。
『ねえ、常闇くんね
あなたの事務所継いだって知ってた？』
『もちろん。ずっと見てたから
ホラ、ここからいつも散歩してんの』
『そっか、意外と面倒見が良いのね
…わぁ、すごく綺麗な景色』
2人の立つ崖の下には
前までは見上げていた青空が広がっている。
『…さぁ、御要望をどうぞ
何でも叶えて差し上げますよ、お嬢様』
『何よそのわざとらしい言い方(笑)
うーん…そうだね
一緒にやりたい事は沢山残ってるんだけど
私はね、もう決めてきたんだ
最初に貴方とやりたい事』
キラキラしたその女の目を
優しく、そして少し自信があるように
見つめ返す。
『…もう分かってるから
ここに連れてきたんだけど？』
その言葉を聞いて、女はまた笑った。
男が大好きな顔だ。
『…啓悟くんは流石だね。きっと正解だよ
私は貴方と
自由に…空を飛びたい！』
男は満足そうに笑った。
『愛しい君の願いなら、どこへでも…
行きたい所を仰せのままに飛んで見せますよ。
さぁ、俺に掴まって？』
そうして2人は
青空に吸い込まれるように
ゆらりゆらりと飛んで行った。
fin
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アップルパイ(プロフ) - いいお話すぎる、、、普通に泣きました、、素敵なお話ありがとうございました😭💕 (5月2日 21時) (
レス) @page43 id: c2bcbcc7a7 (このIDを非表示/違反報告)
berumanami0220(プロフ) - ほんとに感動しました。こんないい作品最後まで書いてくれてありがとうございます！ほんとに今までで一番いい作品でした（ ; ; ） (1月9日 1時) (レス) @page45 id: ea41280661 (このIDを非表示/違反報告)
Hidora(プロフ) - 続けて書いてごめんなさい。今まで占ツクで見てきた中で1番良い作品です。この作品を書いて下さり、完結まで続けてくださりありがとうございました。 (11月21日 17時) (レス) id: 899cfd5088 (このIDを非表示/違反報告)
Hidora(プロフ) - まじで感動しました。泣きました。ホークスが亡くなった直後の時、ホークスのMAD聞いてたんですけど、そのMADは米津玄師さんのlemonで歌詞とセリフとで合い過ぎでマジ泣きしました。イメージソングは別の曲だったようですけど、lemonにこんなに会う作品があるなんて…！ (11月21日 17時) (レス) @page45 id: 899cfd5088 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた - 何気なく読んだ夢小説でまさかこんなに感動するとは……素晴らしすぎるタイトル回収に、2人の最期、生徒との関係…読んでるうちに自然と涙が出てきました。この作品に出会えてよかったです。 (2023年2月2日 21時) (レス) @page45 id: 1bebe7d5ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mona
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=academia1st
作成日時：2020年3月28日 17時
