強く聡い未来の君に ページ46
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「恵。飯食ったしス○ブラしようか」
「……」
2人は向こうでゲームし始めた。
津美紀は皿洗いを手伝ってくれる。
「…恵、ケガ大丈夫かな」
『大丈夫。
後に響かない程度にしかやってないから』
「……ごめんなさい。
結局Aさんに迷惑かけちゃった」
俯く津美紀。
謝らなきゃいけないのは私なのに。情けねぇ。
五条さんから聞いた。津美紀は私が
大学に行った時の事を考えてくれてたんだと。
『…アンタが良い子すぎて安心してたわ。
迷惑なんて身内にはかけまくって良いんだよ。
私は絶対にアンタ達見放したりしないし。
大学行ったって変わんないから』
…今更もう親に対して
あの時もう一度向き合って欲しかったなんて
思わないけど
誤魔化すように暴力で解決し続けてきた私は
認めたくないけどきっと強くは無い。
そしてこの子達は…これから決まる事だ。
出来るだけ向き合っていきたいと思った。
堰を切ったように涙を溢して私に抱きつく
この子と恵が
暴力なんてものとは無縁でなくとも
人として強く、聡くなってくれるように。
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帰り道。
「オマエ、大学行くの?」
五条さんに聞かれた。
ここまできてバレずに、は無理か。
『行きますよ』
「呪術師はどうすんの」
『辞めます』
「それ、逃げますの間違い?」
ケラケラ笑うこの男に
何でここまで腹が立ったんだって
それすら考える事を
この時の私は逃げていたんだと思う。
「Aには期待してたんだけどな〜」
『…応える義務がどこにあるんですか?』
「別に無いよ」
『ならもうこの話は終わりにして下さい』
「前、僕を殺すって言ったよね」
五条さんは立ち止まった。
振り向くと逆光で顔が見えない。
『それが何?』
「恵の父親に殺されかけた事もあったけど
僕、あの時生まれて初めて
『殺される』ってビビったんだよね。
正直怯んだ。言葉が出なくなった」
だろうな。自分でもビビったよ。
明確に嫌う理由も無いままに
アンタにあそこまで本気で殺意を向けた事。
でも、だから何だっつー話。
『…門限ヤバくないですか』
「あっヤベ。急ぐぞ」
私達は、いつもこうだ。
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M - 鍵ちゃんってニックネームが最高ですね!!鍵ちゃんJK時代からクズだったのウケる😆 (2022年3月13日 21時) (レス) @page3 id: 6a6e0e01b8 (このIDを非表示/違反報告)
margaret - 面白い! (2022年2月3日 9時) (レス) id: 7730c8acb7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - とても面白かったです!! 幼少期の恵との絡みもっと見たいなぁ (2021年7月12日 0時) (レス) id: 8dc6dc1d77 (このIDを非表示/違反報告)
Mona(プロフ) - リズさん» 百鬼夜行!!書こうと思いますありがとうございます(^^)楽しみにして頂ければと思います! (2021年6月17日 0時) (レス) id: bb0d022ee1 (このIDを非表示/違反報告)
Mona(プロフ) - おかか。ですかさん» 1番望ましい(個人的に嬉しい)読み方です…!嬉しいですありがとうございます( ; ; )本編もよろしくお願いします! (2021年6月17日 0時) (レス) id: bb0d022ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mona | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=academia1st
作成日時:2021年2月28日 0時