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「…オマエは、傑が正しいって言いたいのかよ」
『さっきから言ってるでしょ
夏油は在りもしない星に手を伸ばしてる。
そこに正しいも間違いも必要ないと思うけど』
抽象的で分かりにくい。イライラする。
『…夢って、そんなもんだよ』
そう付け足されたって馬鹿馬鹿しすぎる。
夢？術師なんて現実しか見えない人間になっておいて
今更何を言ってんだよ。
「…ひとっつも分かんねぇ。
オマエも傑も、何言ってんのか」
あの時半分、いや７割キレてたと思う。
謀反を起こした傑の肩を持つオマエに腹が立つ。
好きな奴だから尚更だ。
『…五条は
他人を本気で理解しようとしたことが無いんだよ。
もう君と話す事は無いかな。さよなら』
「は、待っ_____
……あっそ、俺ももういいよ」
すれ違った時に感じた空気は冷たかった。
暗くてその表情はよく見えなかったけど
もっと無理にでも焼き付けておけば良かった。
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・
_____いや、違う。
あの時僕が素直に言えば良かったんだ。
「待ってくれ、オマエは行かないでくれ」って。
心のどこかで予想はできていたはずなのに
意地を張ってしまった。
だから彼女はその後傑の元へ向かって
10年後の今、こうなった。
傑をこの手で殺した後
その場に現れたのは彼女だった。
今となっては傑と並んだ特級呪詛師として
処刑対象になっていた。
『…久しぶり』
「……こんな形で再会したくなかったよ」
呪術師と呪詛師。
今更もう和解なんて道は無い。
それほどこの世界は甘くないんだ。分かってる。
だけど
「…何で？」
『そうね、この日の為かな。
今日こうして君に殺される為に
私は夏油と一緒に行動してきたの。
ありがとう、夏油を終わらせてくれて』
相変わらず抽象的過ぎる。
でも僕が聞きたかったのはそこじゃない。
「…何で、そこまでして傑を支えてたんだよ
進んで呪詛師になる理由なんて、無かっただろ」
『……支える、ね。
本当にそうなれたら良かったんだけど。
誰にも理解してもらえないと思ってる夏油を
私は本気で理解したかった。
彼を信じたかった。ただ、それだけ』
こんなに綺麗に笑う女に
僕はきっと、2度と出会えない。
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はぁぶ。 - たった三話だけでここまで感動させるとか、神ですか？ (2021年1月22日 17時) (
レス) id: f02807bc8d (このIDを非表示/違反報告)
Mona(プロフ) - 真希さん» ありがとうございます！短編集も別で出しているのでよろしければご覧ください(^^) (2021年1月12日 4時) (レス) id: bb0d022ee1 (このIDを非表示/違反報告)
Mona(プロフ) - 麗奈さん» ありがとうございます！シリアスにどうしてもなっちゃうんです^^;これからもよろしくお願いします(^^) (2021年1月12日 4時) (レス) id: bb0d022ee1 (このIDを非表示/違反報告)
真希 - 短いお話なのにすごく感動しました。これからも頑張ってください。 (2021年1月8日 22時) (レス) id: 38e55839e7 (このIDを非表示/違反報告)
麗奈 - 相変わらず素敵すぎます…。短いのに何でこんなに美しい話が書けるんですか？文才分けてくれませんか？とりあえず大好きです (2021年1月8日 1時) (レス) id: 94e620075a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mona
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=academia1st
作成日時：2021年1月8日 1時
