【爆豪勝己】仮面王女の鎖

5. 外の世界 ページ7

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私とライズさんが歩いていても、別に城の中で
誰も怪しむ人は居ない。


彼が私の世話役だと分かっているからだろう


しかも彼はただの使用人ではない。


彼は国王の側近護衛の1人、つまり___
絶大な力を持ち、あの男からの信頼もある人だ


そして…


唯一、彼だけが国王の指示なしに私を殺す事を
許可されている。


基本的に王女になるはずの私が殺されるなんて事は無いし、全員割れ物のように扱うのだが


もし私が悪事を働くものなら使い物にならないので殺しても良い、という意味で許可されているのだと思う。





つまり私が不審な動きをすれば…きっと
私は殺されてしまうだろう。

それを私は昔から理解していたから
脱走しようとしたことは無い。




そんな事を思い返しているうちに





長い間足を運ぶことがなかった城の門に
たどり着いた。

そして
まさに今城外へ出る時、その一歩が止まった。





「…どうされましたか、ステラ様」



どうしたのだろうか、私にも分からない。



ただ



「こんなにも…外の世界が近かっただなんて

私は今まで気づきませんでした」




自分がいかに

この狭い世界で生きているのかを痛感した。





そこまで読み取っていたかは分からないが、
彼は何も答えなかった。


「…車は既にご用意しておりますので、
どうぞこちらへ」






彼とは別の運転手が待機しており

彼は助手席、私は後部座席に通される




車内から見える景色は、本当に綺麗だった。

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