【爆豪勝己】仮面王女の鎖

26. ひと目でも ページ28

【HERO side】









「_____酒場でレガト人と接触した？？

詳しく話を聞かせてくれ」




翌朝の会議で、昨晩の話を出来るだけ正確に
ジーニスト達に伝える。


「…だいぶここの国王の頭がキてるみてェだ。

いや、国王だけじゃねェ…この国自体が
狂ってやがる」



「この国の郊外の植民地…

旧レガート王国の場所で、そういった差別が
行われている可能性があるみたいです。


一体僕らはどうすれば…」




静まる空気で次に口を開いたのはエンデヴァー
だった。



「…我々から話さなければならないことが
あるのだが、今はまだ言うべきではない。

我々の中でまだ判断しかねる問題だからだ。



ただとりあえず、現在我々に課されている
第一の使命は我が国の要人達を守る事だ。



レガト問題の件はまた後日改めて今後の活動を
伝える。君たちの報告には感謝する」




おそらくベテラン達が得たと言う情報は
昨日の『用事』がキッカケだろう。


気にはなるが言っても仕方がねェ事だ。
それを他のアホ2人も分かってっから言わねェ。





「そうだ。分かっているとは思うが

我々も5日後の王女即位式の後のパーティーに
同伴することになっている。

もちろん護衛のためではあるが、正装で
参加するように」





…あ？


知らねェわンなもん


他の2人も知らなかったようで、
俺らはジーニストに紹介してもらった店で
スーツを作りにいった。




そこはベルガラント人が開いている
高級ブティックらしく


通常ベルガラント人以外は入店不可能らしい。
それか…どこで手に入れたのか知らねェが

ジーニストみたくベルガラント人の紹介カード
を提示すれば俺らでも入る事ができる。



「あなた方、本当にラッキーね！

今回販売しているパーティースーツのモデルは
ステラ様のお名前が入っているのよ。

この1ヶ月しか販売しない商品なの！」



ベルガラント人にしては随分ハイな女だが
それでも格の違いは分かる店主だった。



あしらってもらったスーツの襟の裏にはやはり
『Princess Stella』と彫られている。






そりゃあ特別な事か。

国王の1人娘の20年越しのお披露目だもんな。






その時ふと、Aを思い出した。


アイツも貴族なら…きっとパーティに
招待されるハズだ。





後一目だけでも、会えりゃあいいのにな。

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