検索窓
今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:144,240 hit

9 ページ10





後日。



五条に呼び出された三山は
一つの封筒を渡される。



「前から『死んだら君に渡して欲しい』って

七海に頼まれてたんだ」



『…あなたが?』


「そ。僕彼に尊敬されてなかったけど
信頼はされてたからさ。

多分僕が1番生き残る可能性が高いと踏んで
預けてくれてたんだよ」




守れなくて申し訳なかった、なんて言われたら
コーヒーをかける所だったが


そんな事はもう、口に出さないでくれていた。
だが五条の中でも七海に対する喪失感と罪悪感は他者には見せずとも大きな物だった。




中には鍵と住所のメモが入っていた。


メモの裏には

「来るかどうかは任せます。
君を縛る呪いになってしまうだろうから」


そう書いてあった。




「…行っておいで。七海も君を待ってる」



ずっと三山は後悔していた。

呪いになると思ったから言わなかった。



電話の時、言えば良かった

『絶対死なないで』と。
約束して貰えば良かった。


そうすればもしかすれば何とかして
生きて帰ってきてくれたのかもしれない。



あの時電話を切ってしまった自分を責めた。






マンションの一室。
住所は昔と変わっていなかった。


鍵を開けると

相変わらず無駄なものが無い。



一部屋は書斎になっていて
壁一面に本がぎっしり入っている。




まだ開いていない新品の本も
数え切れないほど残っていた。



恋人時代に三山が七海にあげたものは
全て残っていた。


書斎のテーブルには、ライトの側に
三山の笑顔の写真が飾られていた。


自分を愛してくれていたのだと切に感じ
涙が止まらなくなる。



引き出しの中に


『三山A様』と書かれた封筒。



相変わらず

『Aへ』なんて呼んではくれない。





そんな事を思いながら、彼女は封を切った。

10→←8



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
234人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 七海建人 , 短編
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- ナナミンーーーー❗うわぁぁぁぁ‼ (2022年2月21日 21時) (レス) id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ぅぅぅっグスッ感動した。涙か止まらない。 (2021年6月13日 18時) (レス) id: 4534ab9975 (このIDを非表示/違反報告)
ふぅ(プロフ) - 号泣しています…。 (2021年4月19日 11時) (レス) id: 56676c275e (このIDを非表示/違反報告)
ノエル(プロフ) - 涙腺崩壊 (2021年2月26日 23時) (レス) id: f7611d8971 (このIDを非表示/違反報告)
なず@ヴィル様の旦那です(プロフ) - 号泣涙止まらん (2021年1月27日 2時) (レス) id: c2e37a127a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:mona | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=academia1st  
作成日時:2020年9月9日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。