【ホークス】空を飛びたい 4

125 ズルいな ページ7

ホークスside





彼女の甘い香りがする


俺はこの匂いがすげー好きで
いつも安心するのか眠くなってしまう



貴「寝ちゃダメだよ？」


そんな俺の考えを察したかのように
片手で俺の頰を軽くつまんで悪戯に笑うA


ホークス「流石に飛んでる時はないよ(笑)」





ああ、この笑顔だ



今までのストレスも全部忘れさせてくれる



貴「ねぇ、___くん」



ホークス「ん？」




貴「ありがとう、会いにきてくれて



私も……すっごく会いたかった」





透き通った、あまり高くない君の声が

俺の耳には心地よくて

名前を呼ばれるだけでも愛おしいのに
君は本当にズルいな


俺をどこまで惚れさせる気なんだよ、まったく





ホークス「今からどこ行きたい？

お腹すいてない？」





「すいたけど…」と呟きがちに返す彼女の
視線は、きらめく東京の夜景に向いていた



貴「…あなたがしんどく無いなら

もう少し私に空を飛ばせて欲しいな」




彼女は、飛ぶのが好きだといつも言っていた


そして毎回俺に



貴「…素敵な個性だね、本当に」


そう声をかける

きっとお世辞ではなく、そのままの意味だろう






俺自身、自分の個性を便利だとは思っても
『好き』と思う事は無かった




だけどこうやって


大切な人を笑顔にできるようになってやっと


自分の個性を少し好きになれたかもしれない




しばらく飛んでいると、俺の携帯が鳴った



一旦近くの建物の屋上に降りる


公安からだった



ホークス「…はい」



役員『連合に動きがあった。君の予測通りだ

今から緊急会議を行う、今は東京にいるんだろ？来てくれないか？』






…はぁ、タイミングがあまりにも悪すぎる

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