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作戦ってなに ページ8

「そんなんだから2人とも歯が立たないんだよ」



ユウの静かな声で意識が地上に戻ってきた。ちょっとそこの星まで飛んでたわ。

顔をそっちに向ければ、ユウにしては珍しく厳しい口調だったからかみんな目を見開いていて、少なからず心当たりはあるようだった。



「し、しかし……一体どうしろっていうんだ」

「ちゃんと作戦を立てよう、そしたら…」

「作戦?それってみんな仲良く協力しろってこと?
ハッ、何ソレ寒ッ!よくそんなダッセェこと真顔で言えんね」

「同感だ。こいつと協力なんか出来るわけない」

『お前らには無理だろうなァ』

「でも…入学初日で退学って、もっとダセー気がするのだ」



押し黙る2人。モップもたまにはいい事言うじゃないか。たまには。



『ユウ、僕はお前に賛成するけどさァ…何か具体策があるの?』


するとユウはふっふーんとイタズラっぽく笑って首を縦に振った。


『聞いてから協力するか考えてもいいんじゃなァい?どうする?』

「…わかったよ。聞くだけ聞いてやる」



エースはなんか…同業者と似てる。変にスカしてる感じがソックリ。コイツ自身は悪いやつじゃないけどな。


「じゃあ話すね。まず____」




***




作戦の手順を確認し、再び僕たちは洞窟の入口に立った。

ガッチガチに緊張してるユウと相変わらず呑気なエースとが並んで微笑ましい会話をしてる。思わず笑ってしまった。



「Aはいつも笑顔だよな、平和そうで羨ましいゾ」

『ひゃは、そォ見えるかモップよ』

「変な笑い声なんだゾ…って!オレはグリム様なんだゾ!」



同じようにガチガチのデュースの肩に腕を回し、そのままモップとの会話を続ける。少しだけ強ばりが和らぐのを感じ、そのままワシャワシャと頭を撫でた。



「よし、こうなったら腹括るよ!」

『おォ、参謀殿』

「なにそれ」



ユウの優しい笑顔を見た後、それぞれの位置についた。
僕は洞窟のすぐ外、少し離れた先にエースとデュース、モップ。ユウは安全な場所で待機。

最初僕と2人でやるつもりだったみたいだけど、機動力は僕の方が優れてるとかで1人で担当することに。いやァ、期待されるとウキウキしちゃうなァ。




「やい、バケモノ!コ、コココッチなんだゾ!」

『えェ…それ僕の役じゃね』

始まった。奥からズシンズシンと重い音が近付いてきて、怪物の全貌が星あかりの下に晒された。




『来いよデカブツ、追い払いてぇなら倒してみろ』

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作者名:くろかは | 作成日時:2020年3月24日 15時

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