怪物ってなに ページ7
僕寮に帰るんじゃなかったっけ？
「いちいち構ってたらキリが無い、先を急ぐぞ」
「偉そうに命令しないでほしーんだけど。」
なんで薄暗い鉱山に突っ立ってんの？
話は簡単。あの後モップ(グリムだっけ)を追いかけるため少々手荒な手段を使ったら10億マドルのシャンデリアをぶっ壊して退学行き。そしてその救済措置として魔法石を採ってこいということ。
シャンデリア壊したのはデュースが後先考えずエースをぶん投げたからだし、そもそもエースもモップも逃げなきゃ窓拭きだけで片付いた話なのに。
やはり退学案件がそんな簡単に解決できるはずがない。送られたドワーフ鉱山は閉鎖されており、人ひとりいない。ちなみにゴーストはいた。
しかも退学絶対避けたいマンVS働きたくないでござるマンがご覧の通りバッチバチ。デュース、そんなキャラでしたっけ？？
思わずユウと目を見合わせお互いため息をつくと、何やら声がした。
《イジハ……オデノモノダァアアア！！！！》
突如現れた怪物に、その場の全員の気持ちがひとつになった。
「「「「で、出たーーー！！！！」」」」
『ふざけんなよ！！！ビビらすんじゃねぇよクソが！！！！』
「お、落ち着けA！」
僕だけちょっと違かったみたいだ。
＊＊＊
全力で逃げ、どうやら魔法石はあるらしいと確認し合った途端、またデカブツが現れた。2度目はビビらねェぞこんにゃろ。
腹いせに反撃したろうと思ったら、先陣切ってデュースもエースもモップも各々攻撃し出して、なんなら全員返り討ちに遭ってた。
なら僕の番かと意気込んで前に出ようとしたら、ユウにすっげェ必死に止められた。止められたし強制退却させられた。おい僕の出る幕。
『えェ、もしかして僕戦えないと思われてる？』
「だってお前ひょろっちーし、魔法ロクに使ったことないんだろ？」
『ぐぬゥ…』
「ハハッ素直で結構！」
「呑気にやってる場合じゃないぞ！このままじゃ本当に退学になっちまう…！」
また2人の喧嘩が始まって一向に終わる気配がない。
いちいち止めてたらキリがないのはもうわかった。お前らゴーストだよゴースト。
途端に気が抜けて上を見上げると、不穏な森とは裏腹に星が瞬く空。こんなに綺麗な星空を見上げたのはいつぶりだろうか。
____こんなに星が綺麗な日は、幽霊が出るかもね?
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作者名：くろかは | 作成日時：2020年3月24日 15時
