訪問ってなに ページ31
ポムフィオーレのルーク・ハント、スカラビアのジャミル・バイパー、オクタヴィネルのリーチツインズ、他数名。
みんなデカいし言動意味不明だし、リーチの双子には追いかけ回されるしですげェ疲れた。
日が暮れてきたころ、最後の一人を見るためにサバナクロー寮に向かった。
お目当ては1年のジャック・ハウル。確か魔法薬学でペアになったことあるな。彼は抜群の運動神経から運動部の勧誘が殺到しているらしい。
「ウチの寮とは全然雰囲気が違うな。Aマジでここの寮生？」
『えェ〜、たしかに僕ひょろいけどさァ』
「あはは、確かにAちゃんってワイルド系ではないよね〜」
『センパイまでェ…』
ひとり走り込みをしているジャックにグリムが近付くと、
「オイ、そこのツンツン頭！オマエが悪い奴に狙われてるかもしれねぇから、オレ様たちが守」
『バッカてめェモップァ！！サバナクロー生は特にその言い方アウトだからァ！！』
「ちょっとグリちゃん、話しかけ方に問題ありすぎでしょ！」
急いで口を塞いだが時すでに遅し。
サバナクローやポムフィオーレの生徒は特に自尊心が高い。しかも狼の獣人は馴れ合いを嫌う性質がある。モップ野郎は見事に地雷をぶち抜く言い方をしてしまったわけだ。
「やー、ゴメンゴメン。ちょっとオレたちの話聞いてもらっていーかな？」
急いで状況を説明して協力を仰ぐと、
「俺が狙われることは、多分…ない。じゃあな」
気になる一言を残して去ってしまった。
高を括ったのか？それとも謙遜したのか？
前者はともかく後者の線は考えにくい。サバナクロー生は寮長へのご機嫌伺い以外で下手に出ることはまずないから。
それともう一つ考えられるとしたら、……
「おい、お前らそこで何してんだよ」
「ハーツラビュル寮のやつらじゃん」
センパイ方がやってきた。
「おいAじゃねぇか！お前1人で相手しようってか？そこはオレらに代われって」
『ちょォ、センパイ！この人たちはそんなんじゃ』
「あ、もう帰るんで！お邪魔しました〜」
「A、オマエのとこのやつら怖すぎるんだゾ！」
全然話聞かねェなこの人たち。どうしよう、喧嘩吹っかける気マンマンじゃん！
すると、センパイたちの後ろから独特のオーラが近付いてきた。
「やめとけお前ら」
……レオナ寮長とラギーセンパイだ。
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作者名：くろかは | 作成日時：2020年3月24日 15時
