助力ってなに ページ30
トレイセンパイの部屋を出た後、徐にリドルセンパイが口を開いた。
「で、ケイト。何かトレイの前では言いにくい話があるんだろう？」
「さすがリドルくん。話が早いね」
「ユウちゃんたち、トレイくんの怪我について何か知ってるんじゃない？」
『はァ？』
「待って誤解しないでA！…実は、学園長から衣食住を保証する代わりに事故を調査するよう言われまして」
「やっぱね。グリちゃんたちがただお見舞いに来るわけないと思った」
なんだ。ていうかユウたちが事故起こすハズないか。
それにしても、ケイトセンパイはかなりの切れ者らしい。さっきから言動がかっけェ。しかもセンパイ側も既に情報を集めているようで、共通点が1つあるという。
「怪我してるのがリドルくんやトレイくんみたいな有力選手候補ばかりってことがわかってさ」
「確かにボクはあの時足をかけられたり背中を押されたりはしていない。でも…なんていうか、身体が勝手に動いたような感覚はあった」
「他の怪我したヤツも似たようなこと言ってたんだゾ！」
「故意に選手候補を狙った犯行とみていいと思う」
「じゃあそれって、マジカルシフト大会でライバルを減らすために強そうな選手を狙って事故らせてるってこと？」
ふと昼休みにエペルと話したことを思い出した。
あァ残念だ、本当に誰かがやったことだなんて。自身の利益を求めるあまり、他人を貶めるなんて。
……犯人がわかったとして、僕は絶対に許せないな。
「…おいA？どうしたんだ眉間にしわ寄せて。具合が悪いのか？」
『んェ？いや大丈夫。ユウ、僕も手伝うよ。あんまりチカラにはなれないかもしれないけど』
「ううん。助かるよ」
「先輩たちと他の寮生もいるとなれば、格段に調査しやすくなるでしょ？」
ハーツラビュルに関しては働きによって選抜選手の候補に入れてやってもいいとのことで、エーデュースコンビがゲス笑いしてた。現金なやつらだ。
「それで、話は戻るけど。犯人を捕まえるにはこちらが先手を打つしかないと思う」
『そかァ。次に狙われそうなひとの目星を付けておけば』
「そ。ちなみに既に何人か目をつけてあるんだ〜」
『仕事はやァ』
みんなはマジカメで情報共有していたが僕はスマホを持ってないので、デュースに画面を見せてもらった。
入学当初とは違ってもう名簿だって読める。デュースにも褒められた。
「んじゃ、早速ターゲット候補を見に行ってみよっか」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 501人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くろかは | 作成日時：2020年3月24日 15時
