質問ってなに ページ11
そのまま帰るかと思いきや、なぜか寮長と2人学園長室に呼び出された。
僕が歩けないのを聞かされているのか嫌そうに背負われた。後ろめたい気はあるけれど、怒られそうだし大人しくしとこう。
手を置いた肩の感じでわかる、この人めっちゃ体締まってる。鍛えてるのかな、それとも元から付きやすい体質なのかな。どっちにしろ羨ましいなァ、僕ひょろひょろだから。
あとちょっといい匂いす____
「着いたぞ、早く降りろ」
『ｳｨｯｽ』
ﾋｪ…美形って威圧感倍増させる効果あんの？
デュースのキレ顔もなかなかだったけど、オーラだけでこの圧はヤバい。
「夜遅くまですみませんね。いくつかA君に聞きたいことがありまして」
「あ"ぁ？まさかコイツを運ぶ為だけに俺を呼んだんじゃねぇだろうな？」
「まさか。サバナクロー寮長として知っておくべきだと思いまして。」
「ハァ…しょうもねぇ内容だったら覚悟しろよ、草食動物」
『ｳｨｯｽ』
聞かれる内容として思い当たる節はいくつかある。どうか答えられるやつであってくれ。
ソファに座ると、寮長も横にドカッと座り、長いおみ足を組んだ。絵になるぜ。
学園長は正面のソファに優雅に腰掛けると、落ち着いた声で質問してきた。
「君のその怪我についてですが…本当に、本当の本当に、痛くないんですか？」
『えェ、痛くないですよ。立てないだけで』
寮長が横から訝しげな目で見てくる。
『学園長が聞きてェことはわかりますよォ。僕、痛みを感じなくなったんです。』
「"なった"…？後天性なのか」
『はい。何年前だったかは忘れちゃったけどねェ』
嘘だ、よく覚えてる。ショーで初めて
学園長室を沈黙が覆う。
「やはりそうでしたか…。キングスカラー君、助けろとまでは言いませんが、気にかけてあげてください」
「ッチ……わかったよ」
『アッでも僕昔から怪我の治りの速さには定評があるので？？寮長の手を煩わせずとも？？全然大じょォ』
「よく吠えるワンコだな、噛むぞ」
『ひょェ』
この人案外「ワンコ」とかかわいい言葉使うんだね。
その後学園長に見送られ、談話室まで背負われていった。
談話室には同室のセンパイがいて、アワアワした後「お前ふざけんなよ」と1発叩かれた。
情報過多で混乱してたらしいが、我怪我人ぞ？
さすがに寮長にも軽く怒られてた
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作者名：くろかは | 作成日時：2020年3月24日 15時
