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土曜日。
いつものように部活をし終わって家に帰る。
午前中だけで終わるから、楽と言えば楽。
ただ、合奏中はいつもより眠たくなるのが難点。
それでも、
佐野先輩と一緒に帰れるから、嬉しいし、頑張れる。
今も、佐野先輩が斜め前を歩いていて、
歩調は合わせてくれている。
それが、何よりも嬉しくて
口角が上がりっぱなしになっているのを、慌てて直す。
「Aちゃんずっとニヤニヤしとるけど、大丈夫？」
「へ、あ、ごめんなさい､､！！」
「いいけど」
佐野先輩が振り向いてニヤつきを指摘してきた。
恥ずかしい、！
目を見てられなくて、すぐさま逸らす。
それでも佐野先輩は、私の顔を覗き込むように見てくるから、いじわるだ。
「あの､､あんまり見ないでください､､､！！」
「ごめんって笑」
そう笑って私の頭をポン、と撫でた。
健くんにもよくこれされるんだけど、健くんより優しくて
でも妹のように扱われてる気がして
うれしいし、キュンとするのに
なんだか、苦しい。
〜
「A！おつかれ！」
「健くん？」
佐野先輩の家と私の家の分かれ道に差し掛かった時
いつもは迎えに来ない健くんがいた。
「小島くんや。どうしたんやろ」
「健くーん！！ただいまぁ！！」
「おかえりおかえり。晶哉もおかえり」
走ってきた健くんは、
私に何か頼み事をする時の顔をしていた。
「健くん､､､今度は何？何を私に頼みたいの？」
「よくわかったなA！よしよししたる！」
「わっ！ちょっといいって！！ぐしゃぐしゃになる！」
犬のように頭をわしゃわしゃされる。
佐野先輩と違って、荒々しいから嬉しいけどやかましい。
そして、私への頼み事なのは間違いじゃなかった。
「よくわかったな。Aちゃん」
「15年間、幼馴染やってるので､って健くん本当に！髪の毛ぐしゃぐしゃになるから嫌だ！！もう！」
「ごめんごめん。でも髪の毛固めてる訳やないやろ？」
「固めてはないけど気になるものなの！」
「小島くんそれで？本題は何？」
佐野先輩が健くんの手を下ろしてくれたことにより、なんとかわしゃわしゃは止まった。
そして、私の髪の毛を少し直してくれた。
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作者名：氷のホルン | 作成日時：2023年7月11日 10時
