EsとF (ページ13)

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「Aは会ったことなかったか。こいつが草間リチャード敬太くん！覚えやすいやろ」

「うん。あ、えと、」

「小島からも末澤からも佐野からも聞いてます。佐藤Aちゃんだよね。今日はよろしく」

「よ、よろしくお願いします、！！」

リチャード先輩は、見た目のインパクトが強くて、
たった一度全校集会で見かけただけなのに覚えていた。

リチャード先輩も人見知りらしく、それ以上話しかけてこなかったから、安心。

「よし。じゃ、材料集め開始ー」

「佐野先輩。材料集めってなんですか？」

「あれ、小島くんから聞いてなかったん？文化祭の時に、生徒会室でも出し物やるんやけど、それの材料集め」

「それと、Aちゃんとの親睦会ね」

2.2.3に分けて材料集めが始まり、私は佐野先輩と正門先輩チームに加わることになった。

健くんから全然教えてもらえなかった今日の内容をやっと教えてもらえた。

ん？

「わ、私との親睦会ですか、！？」

「そう。Aちゃんと仲良くなりたいから」

「え、ええ？」

正門先輩からそう言われてびっくりしてしまう。

いやまず私、人見知りだし。

なんなら朝、健くん以外に仲良い人作らなくて良いって言ったし。

「あとは、女の子の意見も欲しかったってのもあるで？他の女子とは俺はあんまり話したくないし、」

「でも、Aちゃんとは、話せるから。俺は嬉しい」

キラキラしてる。

正門先輩も、佐野先輩も。

仲良くなりたい、とか。

話せるから、とか。

健くん以外で、こんなに気持ちが楽になれたのは

多分初めてだった。