本物 〜 7 〜 ページ6
暑いです。
道枝です。
運ど､､体育祭です。
今は開会式中で話聞かなあかんのやけど、
やっぱめんどうやな。
この後はラジオ体操をして玉入れ。
俺、初めから出るんか。
少し前を見ると、長尾と高橋が仲良さそうにしている。
「ねぇみっちー。高橋恭平に取られたままでいいわけ？平気なん？」
「､､知らん」
大美に言われたけど、わからん。
けど、そのままは嫌やなと思った。
〜
「道枝くんごめんね！投げた玉当てちゃって」
「いいよ。大丈夫やで」
背が高い人の弱点、"玉当たる"やな。
そう。
先ほどの玉入れバトル。
みんなが外した玉はほとんど俺に当たっていて
結果負けた。
おかげですごい謝られるけど、
別に気にしてへんのになぁ。
「なあ。なんでそんな謝ってくるの？俺、気にしてへんよ？？」
「え、？なんでかな」
「うー、ん？あ！長尾さんじゃない？？」
「ああ！！それだそれ！」
？長尾？
「ほら！道枝くんて長尾さんに注意されると反論したりするじゃない？もしかしたら、私らもやりすぎで怒られるかもなぁーって」
俺、そんなに当たり強かったか？
全部、照れ隠しやったけど、
だいぶきつい言葉言ってたってこと？
､､､どんなにきつく辛くても
それでもずっと、
長尾は笑ってたんや。
ほら俺また、もやもやしとる。
=二人三脚に出場する生徒は、入場ゲートに集まってください=
アナウンスが遠くから聞こえる。
この競技のみクラス対抗やから応援しなあかん。
けど俺は、
退場ゲートから動けなかった。
周りのざわめきなんて耳に入らなくて、
ただ、ただ一心に
記憶を辿った。
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作者名：氷のホルン | 作成日時：2023年2月24日 13時
