なんだお前ら夫婦か【孤爪研磨】

八話 ページ10

もう冬の肌寒さも忘れて風が暖かくなってきたころ、宮城への遠征がきまった。

「烏野かぁ、昔ゴミ捨て場の決戦とかいわれてたんだっけ？」

夜久が過去の名決戦、ゴミ捨て場の決戦いうフレーズを聞いて1年組はとくにワクワクしていた。

Aは生徒指導で遅れて部活のミーティングにきた。ホワイトボードに宮城遠征と書かれており、対戦相手に烏野高校と書かれたのを見て「え！！｣と大きな声を出した。

「か、烏野？！」
「A知ってるの？」
「まぁね。私、元々烏野の近くに住んでたし。いやー、こんな偶然あるんだね。それに烏野に、会いたい人がいるし。」

むふーと頬を緩ませてニヤニヤしているAだが、部員一同は『会いたい人だと？！』と内心ソワソワしていた。

中でも研磨は顔をAから見えないように逸らしていたがすごく機嫌が悪くなっていた。

恐る恐る研磨の方を見る1年。

「こ、孤爪先輩めっちゃ怖い顔してる…」

入ったばかりの犬岡や芝山は孤爪の不機嫌な顔を見て怖がっていた。

「ねぇ、Aの会いたい人って誰？」

い、言った！！

「ないしょ」と、イタズラに笑うAに顔を歪ませる研磨。

「な、何その顔…怖いんだけど…」
「俺に隠し事するんだ。ふーん」
「そんな拗ねないでよ、そのうち話すから〜」

明らかにむくれて拗ねている研磨。そして痴話喧嘩にハラハラするバレー部一同。

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