なんだお前ら夫婦か【孤爪研磨】

七話 ページ9

Aはクラスメイトが暗い顔をしているのに気がついてその女子生徒を廊下にこっそり連れ出した。

「え、なに生理きたのにアレがなかったの？」
「う、うん…それで、スカートに…」
「そっかそっか…誰にも言えなかったのか」

スカートの後ろの方が濡れている。

「もしかして、変えのズボンとかもない？」
「うん…」

泣き出す女子生徒にAは着いてきて、と言って更衣室に連れ出す。

「私の制服貸してあげる。どうせ部活はジャージで行くし、なんなら授業はサボる予定だし」
「そんな、申し訳ないよ…」
「いいのいいの、はい、これ着て」

Aはジャージに着替えて第二校舎のトイレでスマホをいじって過ごした。

もちろん、サボったことは先生に怒られた。

「はーい、すみませーん。お腹痛くてトイレこもってましたー。」
「だいたい、ジャージで1日過ごすとは何事だ！！ちゃんと制服を着なさい！」
「きをつけまーす」

先生からしたら素行の悪い生徒かもしれない。
けど、Aは生徒達から絶対的な信頼を得られている為、先生からしたら厄介で仕方ない。

「登校中に迷子の子供見つけて大遅刻とか、友達の誕生日にタコパとか色々あるけどみんなそれなりの理由あるし、悪いやつじゃないと思うよ。目立つだけで｣

1年は先輩達から他にもAの話を聞くと、「か、かっこいい…！」と感動していた。

「ついて行きます姉貴！」と、突然Aに言うものだからAは「お、おう…？」と反応に困った。

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