なんだお前ら夫婦か【孤爪研磨】

四話 ページ6

Aはマネージャーをしているけれど、バレーの腕はからっきし駄目だった。

「Aほんとに下手くそ」
「そんなストレートに言わなくていいじゃん！」
「ブハハハwwwなんだそのレシーブ！！生まれたての小鹿みてぇwww」
「わ、笑うな！」

黒尾の弱めに打ったスパイクにビビりながらもレシーブしようとしたが、Aはその速さにビビって足が震えていた。

「Aは反射神経とか動体視力がいいから逆に怖いのかもな」
「ちゃんと練習すれば上手くなりそうだけど」
「やめたやめた。バレーは見てる方が楽しいの」
「その気持ちはわかる…」

それに、男子になんか追いつかないんだから、やっても無駄なんだと思うのは私らしくないだろうか。

いや、昔から私は臆病だ。

だから、置いていかれる怖さから目を逸らした。

研磨と仲良くなってからクロとも仲良くなって、バレーを初めて。最初は運動神経がよかった私は二人と変わらないくらいだった。

けど、小学校高学年、中学生になるにつれて、2人は私よりずっと身長は高くなって、気づいたら何一つ追いつかなくなってた。

私は女なんだ、だから男の子の方が強いのは当たり前。そう割り切ってから、私はバレーを辞めた。

次第に自分から研磨やクロに話しかけたりしなくなった。

なのに、「部活入ってないならマネやってよ」なんて、研磨とクロは私を突き放さなかった。

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