なんだお前ら夫婦か【孤爪研磨】

三十六話 ページ45

試合が開始し、黒尾のサーブから始まった。ビーチバレーはいつもと違う足場で割と苦戦したらしく、試合が終わる頃にはみんなくたびれていた。

「はぁ…はぁ…普段運動こんなにしない…」
「Aがバテるの珍しいな」

黒尾もAのフォローをするのに精一杯で疲れたらしい。

「Aさん、意外と運動出来るんすね！」
「舐めてんの？」

結果はリエーフと夜久チームの勝ちだった。オーバーが禁止のビーチバレーでの夜久は強かった。

次は(福永、犬岡)(研磨、武虎)チームだった。結果は福永、犬岡チームの勝ちだった。

「研磨やる気だせぇ！！」(武虎)
「暑くて無理」

慣れない砂浜は体力の消耗がはやく、研磨はすぐにバテた為、あっさりと試合が終わった。

何戦か戦って、ついに研磨とAが戦う番になった。

「さぁ、研磨。敗者決定戦やろうじゃないの」
「研磨にだけは勝つから！」
「俺もAにはバレーだけは負けたくない」

「さっきの試合でもそのやる気見せてくれればよかったのになぁ」と海が顔には出さずに思うのだった。

研磨とAがバレーで戦うのは初めてだ。いつもラリーの手伝いとかで一緒にやることはあったものの、試合はやったことがなかった。

研磨のサーブから始まり、Aがレシーブで受ける。

「クロ！」
「オラァ！！｣と勢いよく飛んでスパイクを決める黒尾。

1点入ると黒尾とAはハイタッチをする。

研磨はぐぎぎぎと効果音が着きそうなくらい悔しそうな顔をしており、「嫉妬してんなー」と観戦組に見られていた。

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