なんだお前ら夫婦か【孤爪研磨】

二十八話 ページ37

｢私、研磨と幼馴染でずっと昔から好きで…でも、全然研磨振り向いてくれなくて…｣
｢あぁ…音駒のセッターの子ってさ、ザ、草食系って感じだよね｣
｢そうなんですよ！！私が何やっても基本表情変えないし、態度にも示さないし…｣

私のこと、興味無いんじゃないの。って、思うことがたまにある。

｢でも、俺から見た感じだけどAさんと孤爪って、すごくお似合いだけどなぁ｣
｢え、そうなの？｣
｢あ…自覚ないのね…。もしかしたら、幼馴染で素直になれてないんじゃない？好きって孤爪にストレートに伝えてみたら？うちの西谷とか田中が清水にやってるみたいにさ｣
｢あれは真似出来ない｣
｢うん…まぁ、極端な例ね｣

Aと東峰は校門の前の階段に座って話ていたが、段々日差しが眩しくなって来た為、解散することにした。

｢旭さん、お話聞いてくれてありがとうございます｣
｢いやいや、全然役に立てそうな事言ってないけど…｣
｢聞いてくれるだけでも楽になれるんです｣
｢そっか、よかった｣

小さく手を振る東峰を後にAは教室に戻る。

｢あー！旭さん！Aと何話してたんすか？｣

西谷が旭とAを見つけて走って来る。

｢えー、秘密｣
｢なんすかそれ！水くさいじゃないっすか！！｣

Aは音駒陣と合流する。

｢Aどこ行ってたんだよ。梟谷のマネたちが探してたぞ｣
｢なーいしょ｣
｢おい聞いたか研磨ぁ！嫁が浮気だってよ！！｣
｢違うって！誤解を産む言い方やめなさい！｣

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