一話 ページ3
「また事故報告書ですか」
夕方に高専につくと、今から寮へ帰るところの七海が教室の前を通りかかると、Aが報告書をメソメソ泣きながら書いているのを見つけた。
「ななみぃ…たすけてええ…」
「ご愁傷さまです。私は帰ります」
「薄情者!!」
教室を出て行った七海。一人ぽつんと残された教室に寂しさを感じる。
いつか自分の術式が暴走した時、全てを飲み込んで仕舞わないかそればかりが心配になる。
私は呪霊なんかよりもずっとタチが悪い。正直自分の術式は破壊規模がわからない爆弾のようなものだ。
「A」
「やっほ〜」
「夏油先輩、梢子ちゃん!」
「タバコ吸ってたらそこで七海に会ってさ、これ差し入れ持ってけって言われたよ」
自販機で売ってるいちごミルクを机の上に置かれた。
「また
「僕の方から指導しておくよ」
「ありがとうございます…」
梢子はAの勉強机の前の椅子に腰掛け、足を組む。
「君の術式の範囲は本来地球じゃ収まりきらない。元々器用なことが出来る術式じゃないんだ。無理もないよ」
夏油先輩のフォローが優しい。なにか裏でもあるのかな…
唖然とするA。
「今失礼な事考えてたでしょ」
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作者名:XYZ | 作成日時:2023年9月26日 12時