えくぼさんに恋した私2 [赤] (ページ2)

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No.51 ページ2

Aside

『ふぅ……』

さっきのスタジオからちょっと離れた自販機横の椅子に座って少し休む。

私の隣に腰掛けた中間さんを横目で見ると
びっくりするくらい暗い顔をしている。

『中間さんが悪いんじゃないんですから
そんな落ち込まんといて下さいよ』

黄「ほんま、Aちゃんは優しいねんなぁ…」

『私の為にここまでしてくれる中間さん達の方が優しいですよ』

黄「ふふ、ありがとう
なんか飲む？？どれか選び」

『え、大丈夫ですよ！！』

黄「静かに先輩に奢られとけばええの！
さ、選んで選んで～」

お言葉に甘えてココアを指さす。

黄「ん、押してええよ」

ポチｯと押すと音を立てて落ちてくるココア。
プルタブを開けて1口飲めば心も体もポカポカしてくる。

黄「このビルめっちゃ冷えてるから寒いなぁ」

中間さんが持ってるのはコーヒー。
ちょっと大人やなぁ…って思っちゃった笑

黄「ん、なんか甘い」

『え？………あぁ、それ微糖ですよ』

黄「え～！！！ブラックやと思ってたわぁ」

『そんなに甘いんですか？』

黄「めっちゃ甘い、一回飲んでみ？」

『え、でも』

黄「ええから、な？」

これって欲にいう間接キス…。
重岡さんに心の中で謝っておく。

『頂きます………うぇっ！！！にが！！！』

思わず叫ぶとお腹を抱えて笑ってる。
え？？酷くない？？

黄「そ、そんなに苦いかぁ？笑
まだまだお子ちゃまやな…っ、ふは笑」

『最低！！！！この唇！！！』

黄「はぁ！？誰が唇やぁ！！！！」

そんなこんなで騒いでたらさっきスタジオにいた
スタッフさんが前を通る。

黄「……終わったんかな」

『もう、ですか』

黄「……大丈夫やて、ほら向かうで」

自販機のところから少し歩けば風夏さんの楽屋に着く。すぐ隣は重岡さんの楽屋みたい。

黄「マネージャ～さんには話してあるから
いつでも入ってもええで
俺はさっきの所で待ってるから」

『……はい、』

黄「……そんな顔せぇへんの、ほら行っといで」

頭をポンポンと叩いてから行ってしまう中間さん。

頑張れ、自分。

拳に力を入れて楽屋の扉をトントンとノックする。