今井家長女の日常その② (ページ4)

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長女の逃走ページ4

屋上まで来ると、佐川を連れた理子が待っていた。
ヤシの実みて、明らかに懸念な顔したけど、

「おい佐川、お前あのヤクザのこと気に食わねえだろ」

卑怯な奴め
佐川に全部やらせる気ですか

「気に食わねえっすよそりゃ！
　三橋さんどうにかしてくださいよぉ」
「そんなに言うならお前がやれ」

え、と驚く暇も与えず、三橋がテキパキとヤシの実を
佐川に持たせる。よいしょよいしょとそのまま坂本先生が見える位置まで連れて…

佐川が投げたかのように、三橋が投げさせた。

「ああああああ！」

急いで覗いてみると、坂本先生は避ける間もなく
顔面直撃。…かと思えば、ヤクザが１歩前に出て

ヤシの実を片手でかち割った。もうそれは粉々に

「「うわああああああああ！！」」
「てめぇらぶっ殺してやる！！」

「やべえ、逃げるぞ！！」

* * *

これ以上関わったら殺されると思って、
急いで３年２組に戻ってきた。

いつもほのぼのとしている内のクラスが
今日は何だかピリピリしてる。

ゼーハーと、息をしてるとちょんちょんと肩を誰かにつつくかれた。
右を振り返れば、隣の席の上条。…ツッパリではないから！

「お前、あのヤクザみたいな剛田ってやつに何したんだよ…！」
「なにって…え、何のこと？」

いつものふざけた感じもなく、
焦った様子で、しかも小声で話しかけてくる。

「さっき内のクラスに来たんだよ！あのヤクザ面！！」
「…マジか」
「マジよ！！俺が今はいませんって言っといたけど、
　ありゃ相当怒ってるぜ、みんな怖がってる」

だからこんなに静かなのか。

会話してる女子の皆さんもなんかそわそわしてる。
取りあえず、不在報告をしてくれた上条に感謝せねば。

「ありがとう、上条
　死ぬところだったわ、寿命が伸びた」
「いや、それはどうってことねーけど
　…さっきサガワ？って２年坊が剛田に連れてかれてたぜ」

「え」

さっきの佐川のような声がでる。

「無理矢理連れてかれてたけど、大声出してな
　…ツッパリだし、関係ねーよな今井」
「いや、関係あるよ！！」

急いで教室を出た。

――――――――

まさかのオリキャラ上条くん
度々出るかもですね