ifストーリー〜キ〜 ページ39
ふと、どっかで見たことあるような……ないような?
(実際に会ったことないんだろうな。恐らくデータ上の写真か何か……)
でも何のデータだったか、すっかり忘れてしまった。彼を見つめながら、『どこだっけ?』って、こてっと首を傾げると同じように首を傾げる男性。さらに逆に傾げると、同じように傾げてくる。……遊んでる。
『みぅ(大丈夫)』
彼の言葉に返事を返せば、目を細めて微笑む男性。この人もイケメンの部類に入るな。と思う。でも私の一番は秀一だ。浮気はしない。と心に固く誓って、お礼を言って帰ろうと一声かける。
『みゃあ(ありがとう)』
私が何を言ってるかはわからないだろうけど、ふふって笑う男性。腰を上げて数歩足を動かせば、僅かに痛みが走る。まさかと思い、背中をみると
『み"!?』
カラスから受けた攻撃で、血が出ている。これはまずいと思って、ペロペロと傷を舐める。チリッとした痛みと口に広がる血の味に、秀一にバレたら大変だと頭の中で
(外出禁止になる……|||)
と青ざめる。“舐めておけば治る”って言葉があるんだから、舐め続ければ数時間の間に治るんじゃないかと淡い期待を込めながら、ペロペロと懸命に舐め続けてみる。そんな都合のいい体じゃないのは知ってるんだけど。でももしかしたらってことがある……わけないな。でも諦めたらそこで試合終了だ。私は諦めない!
なんかよくわかんないけど、意地になった私は舐め続けていた。
私の行動をずっと見ていたらしい男性は、「怪我したのか」と声を出す。怪我の部分を確認しようと伸びてきた手。その手が邪魔で傷を舐めれない。
『みぅ(邪魔しないで)』
って男性の手を自分の頭で押しやる。何を勘違いしたのか、頭を撫でてくる男性。「手当てしてやる」って、ひょいっと体を持ち上げられた。
路地を歩く男性の腕の中で、『治れー治れー』と念じながら私は一心不乱に傷を舐め続けた。
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輝(プロフ) - 雪丗さん» ホントですか!?やった…!ありがとうございます!! (2018年9月9日 15時) (レス) id: 7ffc6db072 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 輝さん» リクエストありがとうございます。お時間掛かるかもしれませんが、書かせて頂きたいと思います。少々お待ちくださいませ。 (2018年9月9日 13時) (レス) id: a6201812ee (このIDを非表示/違反報告)
輝(プロフ) - 自分を好きと言いながら昴に泣き付いたり他の人に抱き着こうとしたりする夢主に嫉妬する安室さんが見たいです! (2018年9月9日 11時) (レス) id: 7ffc6db072 (このIDを非表示/違反報告)
輝(プロフ) - 作者の夢から派生したお話の最後で昴に泣き付いてましたよね。それで出来たらなんですが (2018年9月9日 11時) (レス) id: 7ffc6db072 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます。楽しんで頂けたようで嬉しいです。 (2018年8月26日 19時) (レス) id: a6201812ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2018年6月11日 22時