貴方のために出来ること 番外編【名探偵コナン】

ifストーリー〜ウ〜　時期：赤井さんがライ、スコッチ救済前 ページ36

Aside

ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ……ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ……

(うーん……何かまだ違和感が……)

ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ……

(むむ！こっちも気になる……)

ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ……

『みゃあ！(出来た！)』

いつものごとく秀一がお仕事に行くのを見送ったあと、部屋の中で毛繕いをしていた。これでも女だからね。念入りに毛繕いするんだよ。どこに出てもおかしくないように。それにいつでも秀一が私を撫でたいと思うように!!

(準備は万端だ！いつでも帰ってこい！)

なんて思っても、さっき出て行ったばかりだからしばらく帰って来ないだろうけどね。

お前仕事どうした？って？今日のSegretoはお休み。お休みって言っても仕事が無いわけじゃない。何件かある。どんなに早い期日でも１週間後なので、急いでないって言うだけ。

(だからゴロゴロしながら過ごそうかと思ってたんだけど……)

窓の外を見れば今日は晴れ。天気が良い。暑くもないし寒くもない。こういう日は散歩に出たくなってしまう。

(綺麗にしたけど……)

うーん？と悩んだが、外に出たい衝動が強いので散歩に行くことにする。

窓の隙間から飛び出して、道路の端をとてとて歩く。適当にふらふら歩いて、適当なころにお家に帰ろうと、目的ないまま気儘に歩く。




住宅街をふらふら歩けば、柴犬の散歩をしている人が居た。私を見た柴犬が牙を剥き出してわんわん！と吠えながら、近付いて来ようとするのを飼い主がリードを引っ張り止める。

「止めなさい！なんで小さい子に向かって行こうとするの!?」

(自分より小さい体の子達に喧嘩売ってるってこと……)

飼い主が止めるのも聞かずに、お痛をするようなやつにはお灸を据えてやろう！ってことで。

耳を寝かせて頭につけ、全身の毛を逆立てさせて体を大きく見せる(あんま変わんないって言っちゃダメ！)。尻尾をﾋﾟﾝｯ!と立てながら、左右にぶんぶん振る。目を見開けば瞳孔も開く、そのまま柴犬をじっと睨み付ける。

『ﾌｰｯ!!』

いつでも攻撃出来るんだぞって、気持ちを込めて威嚇する。僅かに威圧を向けてやれば、柴犬は地面にころりと寝転がりお腹を見せた。

「え……」

飼い主さんはその様子を見て、驚愕を露にする。

『みゃー！(飼い主の言うことはちゃんと聞け！)』
「わふ……」

柴犬に一声掛ければ返事が帰ってくる。何て言ったのかはわかんないけど、恐らく了承の意味だろうと捉えてその場を離れる。後ろから「えぇぇえ!?」って聞こえたのは無視だ。


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