253, ページ37
バーボンの消えた扉を見ていれば、梓さんがメニューを渡してくれた。なので今度はそれを眺めながら何を食べようかと悩む。頭を悩ましていると、声が掛かった。
「Aさん？ちゃん？」
『お好きにお呼びください』
「じゃあ、Aちゃん！」
『はい(ﾆｺ』
笑顔を向けたら笑顔が返ってくる。可愛らしい人だなぁと思いながらいたら、バーボンがエプロンを着けて戻ってきた。
「Aさん、御注文は？」
ニコニコしながら正面に立つバーボン。そこが定位置なの？なら端に寄りたいんだけど。でも移動させてくれなさそうだろうから、メニューに改めて目を向ける。
『うーん？』
「オススメはハムサンドですよ！」
と明るい声。「安室さんが考案したメニューで人気商品なんです」と梓さんが教えてくれた。確かにあれは美味しかった。でもここは違うものを食べてみたい。
『透さんが作るんですか？』
「ふふっ。ご指名なら」
『じゃあ……珈琲と……』
「はい」
『ふわとろ卵のキノコのデミグラスソースのオムライスをお願いします』
「…………Aさん、メニューに“載っているもの”をお願いします；」
『透さんならイケる！』
ぐっと拳を握って言い切ってみた。
バーボンが言うように、私が注文した品はメニューに載っていない。載ってるのはケチャップのオムライス。無理を承知で、そしてバーボンに対する嫌がらせで頼んでみたんだ。
──注文の品を撤回することなく、しばらく待っていると「お待たせしました」って、目の前にオムライスが出てきた。メニューに載っていない、私が頼んだものが。
(……わがままな客の対応してくれるのか)
スプーンを手に取り、一口掬って口に運ぶ。正直な気持ちが口から零れる。
『……美味しい』
「それはよかった(ﾆｺ」
ふと正面へ顔を向けるとバーボンと目が合う。口許に指を一本当ててウインクしながら「内緒ですよ」って小声で言ってきたんだけど。それを見て私は
(やるなら全員にやれよ)
って心の中で突っ込んでおいた＿＿＿＿。
＊＊＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 982人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
貴方のために出来ること part.5【名探偵コナン】 貴方のために出来ること〜もう一つの未来へ〜 part.2 【名探偵コナン】 貴方のために出来ること〜もう一つの未来へ〜 【名探偵コナン】もっと見る
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜空(プロフ) - いつも楽しみにしてます最近頑張ってください応援しています (2021年5月1日 15時) (
レス) id: 15c1247fea (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - ベルモットさん» 作者の描写能力が乏しくて申し訳ありません。組織に加入した理由を簡単に説明しますと、組織を離脱する赤井さんの代わりに明美さんを見守る為です。シェリーのような感じで、夢主が仕事をする場面とはどういう意味でしょうか？理解力がなくて、申し訳ありません。 (2019年6月17日 23時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - あと、夢主人公が何故黒の組織に加入したのかが知りたいです。 (2019年6月17日 22時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 始めは動物系苦手でしたが、ストーリー性が深く吸い込まれる程で楽しくなって来ました。黒の組織絡みが良いですね。夢主人公が組織の仕事をしている場面をもっと見たいです。シェリーの様な感じで。 (2019年6月17日 22時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 彩音さん» コメントありがとうございます。苦手系の話にも関わらず読んで頂き、そして楽しいと言って頂いて作者も嬉しい限りです。応援も有難うございます。ルパン達との絡みは先の展開をお待ちください。今後とも楽しんで頂ける作品になるよう精進いたします。 (2018年7月1日 21時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪丗
| 作成日時：2018年6月5日 22時
