貴方のために出来ること part.6【名探偵コナン】

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Aside


誰かこの子犬を被った大型犬を、引き取ってください！


「さあ、Aさん行きましょ！」


『行きません！』


「何でですか？仕事終わってるのでしょう？」


『終わってますが行きません！』


玄関へと続く廊下での攻防。ぐいぐいと人の腕を引っ張ってくるバーボン。それを踏ん張りながら、抵抗している私。


「このままだと僕が遅刻してしまうんですが……」


『一人で行けばいいでしょう!?』


「貴女と行きたいんです！」


『意味がわからない!!』


何をやってるのかと言うと、いつもの如くいきなり現れた彼は、私をアルバイト先であるポアロに連れて行こうとしてくるんです。


ポアロって毛利探偵事務所の下の喫茶店でしょ!?探偵君に遭遇する可能性大じゃないか!?アスティとして顔バレしてるんだから止めろ!!


情報をバラさないかの見張りだとしても、ポアロ(そこ)は止めろ!!松田さんと萩原さんの友人である君の情報はバラさないから!!伊達さんにも見てるからって言ったんだから!!他ならまだ付いて行ってあげるから、ポアロ(そこ)は止めろ!!!!


『離してくださいー!!』


「もー、わがまま言わないで行きますよ！」


『わがままはそっtきゃ!?』


腕を離されたかと思ったら、肩と膝にバーボンの腕が入って横抱きにされ、足が宙に浮いた。所謂お姫様だっこだ。


『ちょっ!?下ろしてくださいー!!』


「暴れないで下さい。落としてしまいます」


『いっそ落とせ!!』


「そんなことするわけないじゃないですか」


そのまま部屋から強制的に出される。加減しているとは言え、私がじたばた暴れてもびくともしない腕に腹が立つ。


『おーろーせー!!』


「あまり騒ぐようならその口、僕の口で防いで差し上げましょうか？(ﾆｺ」


と笑顔の中に色気を含めながら、私の顔を覗き込んでくる。その距離は20cmほどの近い距離だ。でも


『そんなことしたら、貴方の顔に一生消えない傷を付けてやります(ｷｯ』


自分の手の爪を彼の方へ向け、目を吊り上げながらフーッ！と威嚇してやる。


「猫じゃないんですから……」


(猫だよ!!)


抱えられたまま彼の愛車へ運ばれ、助手席に乗せられた。「ここに置きますね」って足元に私の靴を置かれる。……いつの間に持ってきてたんだ？と頭に疑問符が浮かび上がった。


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