貴方のために出来ること part.6【名探偵コナン】

222, ページ4

袋を受け取り中を覗く彼。中身を見て一言。


「……お前が作ったのか？」


『そーだよー』


「…………食えるのか？」


『失礼だな!?お礼なのに食べれないものを、持ってくるわけないでしょ!?』


そんなことを言われれば、むすっと不機嫌を露にした私に、秀一は喉を鳴らして笑いつつ「すまない」と謝ってくる。


お詫びに「ビーフシチューを作ったから、一緒にどうだ？」と誘われた。作ったって……いつの間に作れるようになったの？


『……お兄さんこそ料理できるの？』


「暇で覚えた」


『……へー』


「で、食べるのか？」


『食べる!!』


一緒にご飯なんて久しぶりだって、内心うきうきしながら、彼の後を追いかける。


キッチンに立つ秀一は新鮮で、自然と顔がにやけてしまう。それを見られれば、不服そうに顔を歪められた。


「……なんだ？どこかおかしいか？」


『んーん。なんでもないよー』


何か手伝う？って聞きながら秀一の側へ。サラダ作れと言われたので、冷蔵庫を開けさせてもらい、ドレッシングを含め手際よく作る。私の手元を見て「ほー？」と感心するように声を出す彼に、胸を張って威張っておく。


食卓に料理を乗せ、対面に座り手を合わせて挨拶する。


『「いただきます」』


彼の作ったビーフシチューは絶品だった。前は作れなかったのに……と、少し寂しく思ったのは内緒だ。でも秀一から「美味い」と言われたので、寂しさはどっか飛んでいった。私、ちょろ過ぎる。


食べ終えて片付け手伝おうとしたら「問題ない」と言われ、じゃあ帰るーってことで工藤邸を出る。


久しぶりに秀一と、のんびりした時間を過ごした日だった＿＿。


＊＊＊

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