貴方のために出来ること part.6【名探偵コナン】

244, ページ28

「あのねあのね」と話し出すバーボンには、犬の耳と尻尾が見える。…………子犬。


(……幻覚が見える。私も疲れてんのかな……ｳﾌﾌ(遠目)


面倒くさいから、さっさと寝落ちしてくれないかな？なんて思いながら、適当に相槌をうつ。彼の話は案の定、先程の工藤邸での出来事だ。


秀一＝昴だと自信たっぷりに乗り込んだにも関わらず、外れてしまったことに悔しがってる彼。実際は当たってるんだけどね。でも諦めてないから、絶対暴くんだ！と意気込んでる。それに『そうですか。頑張って下さいね』と適当に相槌を打ちながら思うのは


(……情報駄々漏れだな)


ってことだ。そんなことを思っていたら、また抱き締められる。今度はなんだ？とバーボンの言葉を待っていると、驚くような事を言われた。


「あの男は生きています。だからもう怖い夢は見なくて済みますよ、安心してくださいね」


その言葉を告げたあと、力尽きたように眠った彼。そう言えば、“僕が守るから”って言ってたなぁと思い出した。


『……ずっと気にしてたの？』


人の肩に頭を乗せて、静かに寝息を立てて眠ってしまったバーボン。手は腰に回ってるけど、力なんて入ってないのですぐ抜け出せる。


ソファに転がしておこうと思ってたけど、頑張ったみたいだから、ベットまで運んで上げる事にした。





──次の日の朝、目が覚めたバーボンは案の定二日酔い。しかも話したことはおろか、ここに来たことすら覚えてなかった＿＿＿＿。


＊＊＊

245,→←243,

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す