貴方のために出来ること part.6【名探偵コナン】

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少しすると資料から顔を上げたバーボンと目が合った。困惑したような顔だけど。


『足りませんでしたか？』


「……いえ。十分すぎるくらいです。これなら僕一人でも片付けられます」


『そうですか、なら良かったです』


じゃあ何でそんな困ったような顔してんの。もっと喜べ。


「Aさん」


『はい？』


「本当に報酬はあれだけで良いんですか？」


『何故です？』


「はっきり言って割合が取れていません」


『追加して良いんですか？』


「はい。寧ろ追加して欲しいくらいです。僕の気が済みません」


『ならケーキつけて下さい』


「……いえ、そうではなくて……」


ガクッと項垂れたバーボン。額に手を当てて顔を上げながら、呆れたような視線を向けられる。けど『アイスでも良いですよ？』って追加で言ったら、盛大なため息を頂いた。


『私が何を貰うかは、私が決めることなので良いんですよ(ﾆｺ』


しばらく納得してない雰囲気だったけど、諦めたのかコーヒーをイッキ飲みして立ち上がった彼。


「早めに片付けて、報酬を払いに来ます」


『お待ちしてます』


「なので鍵返してください」


『さっさと行け！です』


「わかりました行きますから押さないで下さい！」


玄関までぐいぐいと彼の背中を押し付ける。むすったれた顔で、靴を履いている彼に声を掛けた。


『怪我には気を付けて』


「はい、気を付けますね(ﾆｺ」


『……無理や我慢ばかりせずに、たまには貴方のやりたいことをするといいです』


「！」


目を見開いたあと、穏やかな笑顔に変わる彼。


「ありがとうございます。なら鍵は貰っていきますね？」


『へ？あっ!!』


気付かぬうちに、バーボンの手には、さっき奪い取った鍵が握られていた。


「行ってきます！」


『そういうことじゃない!!鍵は置いてけー!!』


という私の声が、マンション内に響き渡った。






──その３日後。ひょっこり現れたバーボンに報酬であるハムサンドと紅茶、それとケーキを支払って貰った。とても絶品で満足です♪


鍵？……残念ながらバーボンの手に落ちたまま。必ず奴の手から助け出して見せる!!世界(私)の平和のために!!


＊＊＊

〜#〜

夢主の名前呼びに関しての補足(疑問のコメが来たので)

安室さんは自力で夢主の名前を調べ上げました。今回は安室さんの個人的な依頼の為、コードネームだと組織が絡む感じがしたので、名前呼びに致しました。夢主のバーボン呼びはただの癖です。

あとは作者が呼ばせたかった。以上です。

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