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──静かな空間のまま進んでいた車は、あっという間に私の家へ到着。
もう着いちゃった……って残念な気分になりつつ、ドアハンドルへ手を掛ければガチャッ!と施錠された。なんで??
秀一へ振り向いてみれば、当の本人は車を降りていくところで。
『あのー?赤井さん?これはどういう??』
って疑問を投げ掛けたのに、何も言わずに降り、車の前方を通って助手席側へと回る姿を目で追いかける。
助手席側へと立った秀一は、ロックを開け、ドアを開けてくれる。笑みを浮かべながら差し出された左手。
とても様になっているその姿を、永久保存したいから写真撮っていい??って口走りそうになるのを、ぐっと堪えて脳内で永久保存しとく。
その大きな左手の上に自身の右手を乗せて車外へ出る。どこにでもあるアパートの前だというのに、特別な場所へ降り立った気がして
(猫と人でこんなにも違う感覚なの?
……あぁ、なるほど。これがお姫様体験ってやつか)
なんて思った。秀一の行動一つで何気ない場所が輝いて見えるっていうね。
握られたままの手に、身体ごと秀一へと向けて顔を上げる。離してくれないってことはまだ何かあるんだろうと思って。
「俺は、料理が出来ないんだ……」
終わったんだと思っていた先程の話が舞い戻ってきたわ。もしかして、なんて答えようか考えてたの?そこまで深く考えなくても良いのよ?勢いで口走っちゃった言葉だから。
そんなことを思いつつ『そうなんですね』って秀一の言葉に返答。知っていることだけど、しらっと相槌は打っておく。
「そこでなんだが……」
『はい』
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雪丗(プロフ) - れいさん» お返事が遅くなり申し訳ありません(>人<)そう言って頂けますと作者冥利につきます。ありがとうございます(^^)更新速度はノロノロかと思いますが、少しずつ書き進めていきます。今後とも今作品を、どうぞよろしくお願いしますm(__)m (2022年5月22日 3時) (レス) id: 3aa07c1458 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - やっちさん» お返事が遅くなり申し訳ありません(>人<)ここまでお読み頂き、ありがとうございます(^^)更新速度は遅くなると思いますが、赤井さんとのお話を含め、少しずつ書き進めて行きます。今後とも今作品をよろしくお願いしますm(__)m (2022年5月22日 2時) (レス) id: 3aa07c1458 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - すごく面白い作品に出会えて感動しています…!こんなに長編で丁寧にお話を書いてくださるなんて、感謝しかありません!!これからも応援させてください。続編まってます! (2022年4月9日 17時) (レス) @page27 id: 5b49cb1871 (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 凄く面白いです!二日掛けて読んじゃいました。主人公が猫になれるのとか発想が凄いです!一回死んじゃったのはビックリしましたが。赤井さんと結ばれますように…。更新楽しみにしてます (2022年4月3日 17時) (レス) @page27 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 寝子さん» 寝子様、いつもありがとうございます!(≧▽≦)赤井さんとの再会までとても長かったですが、やっと二人のわちゃいちゃを書ける時が来ました!\(^^)/楽しんで頂ける作品になるよう試行錯誤していきます。今後ともよろしくお願い致しますm(__)m (2021年12月29日 17時) (レス) id: a83da031ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗 | 作成日時:2021年12月28日 12時